2019年10月に発生した「令和元年東日本台風」によって9つの収蔵庫が浸水、現在も休館が続いている川崎市市民ミュージアム。被災リスクや修繕コストなどの観点から現在の施設での継続は困難とされていた同館だが、その取り壊しが正式に決定した。
川崎市市民ミュージアムは1988年11月に開館。建築は江戸東京博物館や九州国立博物館も手がけた菊竹清訓によるもので、博物館と美術館の複合文化施設として考古、歴史、民俗からポスター、写真、マンガまで多様な展示を開催してきた。
市の担当者によれば、8月30日に開催された川崎市議会文教委員会で取り壊しを正式に発表。取り壊しの時期は未定となっている。
川崎市は「市民ミュージアムあり方検討部会」を設置して新たな施設のための検討を行い、8月30日には市民ミュージアムの「新たな博物館、美術館に関する基本的な考え方(案)」を発表。新施設は2022年度中を目安に「基本構想」を策定して事業構想の方向性を検討した後、「基本方針」を策定する予定となっている。
なお、川崎市は「新たな博物館、美術館に関する基本的な考え方(案)」をもとに、9月30日まで市民の意見を募集している。詳細は川崎市のウェブサイトを参照してほしい。