フランス国内の18歳の若者を対象に、様々な文化活動に使うための300ユーロ(約4万円)を提供するプログラム「Culture Pass」が、フランス全土に導入されるようになった。
フランス政府は2019年より同プログラムを14の地域で試験的に実施。18歳の若者にはプログラムと同名のアプリを通じて、300ユーロ相当のクレジットが付与される。クレジットの有効期限は2年間となっており、コンサートや美術館、映画館のチケット、ダンスや音楽、絵画のレッスン、書籍や画材、楽器などの物品、そしてオンライン音楽や映画のストリーミングプラットフォームなどのデジタルサービスに使うことができる。
政府の声明文によると、同プログラムは「多くの若者が文化に触れることを妨げる経済的な障壁を取り除くだけではなく、文化的な慣習の存在を疑わない、あるいは『自分には合わない』と考えるような象徴的な障壁を取り除くことも目的」としている。14地域での試験的段階では、約16万5000人がこのプログラムを利用し、約120万件の予約を行ったという。
現在、フランス国内では約82万5000人の若者が同プログラムの対象となっている。22年からは対象者の範囲を拡大し、13歳から年間25ユーロ相当のクレジットを受け取り、高校生になると年間50ユーロ、18歳になると300ユーロ、合計500ユーロ相当のクレジットを受け取ることができるという。
フランス文化大臣のロズリーヌ・バシュロ=ナルカンは、同プログラムについて次のようにコメントしている。「Culture Passでは、デジタルサービスに加え、アーティストや専門家、そして日常的に文化をもたらしている人々との出会いを重視している。彼らと関わることにより、口コミという最高の評価を形成し、利用者が文化施設にどんどん足を運ぶことを促すだろう」。