2021.3.12

アーツ前橋の次期館長を現代美術専門家に。美術家・白川昌生らが要望書を提出

館長の住友文彦の退任が発表されたアーツ前橋。未定となっている後任の館長人事について、美術家の白川昌生らが呼びかけ人となり、前橋市に要望書を提出する。

「次期アーツ前橋館長職に関する要望書」、ウェブサイトより
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 今年3月末で、館長の住友文彦の退任が発表された群馬・前橋のアーツ前橋。同館は借用作品調査の過程での作品紛失を受けて、4~6月の3ヶ月間、作品の総点検のために休館することを決定。また住友の後任となる館長人事も現在未定としている。

 同館のこうした状況を受けて、美術家の白川昌生、木暮伸也、喜多村徹雄、八木隆行が呼びかけ人となり、前橋市長の山本龍宛に「次期アーツ前橋館長職に関する要望書」を提出することがわかった。

「次期アーツ前橋館長職に関する要望書」、ウェブサイトより

 要望書本文はウェブサイトで公開されており、アーツ前橋の次期館長職に、現代美術を専門とする人材の登用を要望することがその主旨となっている。

 要望書では、2013年の開館以来、専門職館長のもと学芸員が市民と協働することで、地域に根ざし、地に足の着いた活動をしてきたアーツ前橋の実績に触れ、白井屋ホテルの開設など、芸術文化を通じた新たな芽吹きが前橋に根づきつつあることを高く評価。いっぽうで「次期館長が未定であること、4月から三ヶ月間休館するとの報道を受け、芸術文化による新たな芽吹きが後退してしまうのではないかと大きな不安を覚えています」と懸念を示している。

 そのうえで「地域とともに成長する次世代の美術館像を指向するアーツ前橋の館長職には、芸術という資源を適切に扱うことができ、地域のコミュニティと連携する滞在制作や地域アートプロジェクトにも通じた現代美術を専門とした人材の登用を要望します」と、次期館長についての要望の主旨が提示されている。

 この要望書は本要望書は4月に市長へ提出予定。ウェブサイトでは、この要望書に賛同する署名を募っており、3月31日まで受け付けている。