2020.10.8

「ペース」の新アートセンター「Superblue Miami」が12月にオープン。こけら落としはチームラボ、ジェームズ・タレル、エス・デブリン

メガギャラリー「ペース」による新しいアート事業、大規模な作品を長期的に展示する体験型施設「Superblue」。その第1弾となる「Superblue Miami」が12月22日にオープンすることが発表された。こけら落とし展では、チームラボ、ジェームズ・タレル、エス・デブリンの作品を2022年まで展示する。

Superblue Miamiのイメージ Photo by Moris Moreno
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 メガギャラリー「ペース」による新しいアート事業「Superblue」が、その第1弾となる「Superblue Miami」を12月22日にオープンさせることを発表した。

 Superblueは、ジェームズ・タレル、チームラボ、エス・デブリン、名和晃平、JRなど、ペースの所属アーティストによる大規模な作品とインタラクティブな作品を長期的に展示する体験型施設。従来のギャラリーとは異なり、入場チケットを販売し、その収益をアーティストに配分する。今後数年のうち、世界各国の都市に同じようなアートセンターを開設するとともに、デジタルの領域を推し進めるアーティストのために、ARやVRのプラットホームも開発していくという。

 マイアミ・アラパタ地区にオープンするSuperblue Miamiは、昨年新たに開館したルーベル・ミュージアム向かいの、廃墟化となっていた4600平米の工業ビルを改造したもの。約3000平米におよぶ柔軟性の高い展示空間では、大規模な没入型作品が展示できるいっぽうで、多目的スペースでは、トークショー、パフォーマンス、ワークショップ、家族向けプログラムなど、年間を通して様々なイベントが開催される予定だ。

Superblue Miamiのイメージ Photo by Moris Moreno

 そんなSuperblue Miamiのこけら落とし展「Every Wall is a Door」では、チームラボによる複数の作品や、ジェームズ・タレルの光を用いた没入的な代表作《Ganzfeld》、そしてエス・デブリンによる新しい没入型の空間作品が2022年まで長期的に展示される。

 チームラボは、「teamLab:Between Life and Non-Life」(生命と非生命の間)というコンセプトのもと、《憑依する滝》《花と人、コントロールできないけれども、共に生きる》《増殖する無量の生命》などの作品を展示し、生命と非生命の間の曖昧さ、人と自然の関係性を探る。

チームラボ 憑依する滝 2017 インタラクティブ・デジタル・インスタレーション Sound by Hideaki Takahashi (C) teamLab
チームラボ 花と人、コントロールできないけれども、共に生きる 2017 インタラクティブ・デジタル・インスタレーション Sound by Hideaki Takahashi © teamLab

 ジェームズ・タレルの《Ganzfeld》は、光と空間が、視覚の仕組みや意識的・無意識的な見え方に与える影響を検証する作品。ドイツ語で「完全なフィールド」を意味するこのインスタレーションでは、見る者の奥行き知覚を完全に消し去ることで、鑑賞者の知覚メカニズムを問う。

ジェームズ・タレル Purusa 2011 © James Turrel. Photo by Florian Holzherr

 またエス・デブリンは、迷宮のような空間作品《Forest of Us》を新たに発表。多面的な没入空間で映像や鏡面、彫像、パフォーマティブな要素を取り入れた本作は、気管支の構造を模した巨大な鏡の迷路と、樹木の幾何学と人間の呼吸を数学的に描いたショートフィルムで構成され、人間の体内や自然のなかにあるネットワークの類似性や、個人的視点と集団的視点の対比を表現する。

エス・デブリン Forest of Us(イメージ) 2020 Courtesy of Es Delvin Studio

 ペース・ロンドンの元社長でSuperblueのCCOを務めるモリー・デント・ブロックルハーストは、声明文で次のようにコメントしている。「Superblue初の体験型アートセンターで展示されるアーティストたちは、体験型アートムーブメントの幅広さや、インタラクティブな体験の並外れた可能性を提供する。彼らはまったく新しい方法を用いることで、我々と世界の関係性、あるいは人と人の関係性についての新たな視点を与えてくれるだろう」。

 また、Superblue Miamiのディレクター、シャンテル・ロドリゲスはこう付け加える。「Superblue Miamiは、地域の芸術と文化の風景に新たな次元を加えるだけでなく、コミュニティに深く根ざし、統合された文化的なハブとして構想されている。その立ち上げと年間を通してのプログラムを計画するなかで、地元の文化団体や市民団体と協力し、有意義なパートナーシップを築くことはとてもエキサイティングなことだ」。