新型コロナウイルスによって打撃を受けたニューヨークの非営利美術機関を支援するため、メガギャラリーとして知られているハウザー&ワースが新しいチャリティープロジェクト「Artists for New York」を発表した。
本プロジェクトは、ギャラリーの所属を問わず、100人以上のアーティストから寄贈される作品を販売し、その収益の半分以上をニューヨークの美術機関に寄付するもの。ハウザー&ワースは販売手数料を一切徴収せず、収益の一部はアーティストに還元されるという。
新型コロナウイルスの影響で、ニューヨークの中小規模の美術機関は予算不足に直面しており、今後の収入や寄附金も減少すると予想されている。今回のプロジェクトを通じて調達した資金は、MoMA PS1やニュー・ミュージアム、ブロンクス美術館、ザ・ドローイング・センター、スイス・インスティテュートなど14の美術機関と、「Mayor's Fund to Advance New York City」「Foundation for Contemporary Arts」といったふたつの非営利慈善団体に配分される。
このプロジェクトについて、ハウザー&ワースの共同代表であるマーク・パイヨは声明文で、「『Artists for New York』は、この重要な時期にコミュニティを支援し還元する方法だ」としながら、次のようにコメントしている。
「これらの14の非営利団体は、現存アーティストとの長年にわたる冒険的なプログラムを通じて、社会の複雑さと可能性に対する認識と理解を拡大してきた。彼らは私たちに新しいアートや新しい考え方を紹介し、私たちの生活を豊かにしてくれた。そして、この未曾有の困難な時期からの都市の復興において、彼らが共に中心的な役割を果たし、それぞれのコミュニティが復興・再生し、未来に向けて新たな道を切り開くのを支援してくれると信じている」。
参加アーティストには、ジョージ・コンドやジェニー・ホルツァー、ジョアン・ジョナス、ジャン=ミシェル・オトニエル、エリザベス・ペイトン、シンディ・シャーマン、李禹煥、カラ・ウォーカー、アイ・ウェイウェイなど世界の第一線で活躍するアーティストが名を連ねている。
なおこうしたアーティストによって寄贈された作品は、10月1日よりオンラインで公開。そのうちの一部は、10月1日〜22日にニューヨークにあるハウザー&ワースのふたつのギャラリーでも展示される。