スペインの「Isla del Rey(国王の島)」にハウザー&ワースが2020年の開館を予定していたアートセンター「ハウザー&ワース・メノルカ」(オープンは2021年に延期)。その開館に先立ち、同ギャラリーがVR(バーチャル・リアリティ)技術を利用してこのセンターの様子をオンラインで公開した。
同センターは、廃棄された18世紀の海軍病院の付属棟を改造したもの。アルゼンチンの建築家、ルイス・ラプラスが修復を担当した建物には、8つの展示室やギャラリーショップ、レストランなど1500平米におよぶスペースや、オランダのランドスケープデザイナー、ピエト・オードルフによって設計された庭園が含まれている。
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特設サイトでは、ふたつの展示室を使ったVR展覧会「Beside Itself」が開催。ローレンス・ウェイナーの作品にちなんだ同展では、ルイーズ・ブルジョワやマーク・ブラッドフォード、ジェニー・ホルツァー、ブルース・ナウマン、ロニ・ホーンなど同ギャラリー所属のスター・アーティストたちの作品が紹介されている。
また、センター外観の3DツアーやVR展覧会の制作過程を紹介する動画も、同サイトで見ることができる。
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19年、同ギャラリーはアートと技術を組み合わせたプロジェクト「ArtLab」を設立。今回のVR展覧会は、そのプロジェクトが開発したツール「HWVR」を実装した初の成果。この取り組みについて、ギャラリーの創設者のひとりであるイワン・ワースは次のようにコメントしている。
「ArtLabを立ち上げ、最初にHWVRアート体験の開発を始めたとき、私たちの主な目標は、アーティストが展覧会の開催空間を視覚化するのを助ける技術として開発することだった。世界中の拠点で展示会を企画し、移動や搬送を削減したいという思いもあった。多くの人が孤立している現状を踏まえ、私たちはArtLabを加速させている」。
なお先月、同ギャラリーは自社のオンラインプラットフォームによる収益の10パーセントを世界保健機関(WHO)に寄付することを発表。今回のVR展覧会による収益も寄付対象となっている。
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