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INSIGHT - 2019.8.12

知っておくべき3大メガギャラリー。ガゴシアン、ペース、ハウザー&ワースとは何か?

世界複数の都市にスペースを持ち、アート界の主要プレーヤーであるメガギャラリー。その代表として、美術館と並ぶほどの影響力を持ち、拡張を続ける3つのギャラリー、ガゴシアン、ペース、ハウザー&ワースを紹介する。

 

ニューヨーク・チェルシーに建設中の「ペース」の新本社の完成予想図(6階部分) Photo by Bonetti / Kozerski Architecture, courtesy Pace Gallery

ガゴシアン

 1980年、アメリカの美術商であるラリー・ガゴシアンは、ロサンゼルスに初のギャラリーをオープン。ジャン=ミシェル・バスキアやエリック・フィッシュル、ディヴィッド・サーレなど当時の若手作家の作品を紹介した。

 86年には、ニューヨーク・マンハッタンの西23丁目に2号店をオープンし、ビジネスの中心をニューヨークに移転。2011年、ガゴシアンはアジアでの唯一の支店を香港にオープンした。

 現在、ニューヨークにある5つのギャラリーに加え、ロンドン、パリ、ジュネーヴなど世界各地で17のギャラリーを運営しており、すべてのスペースをあわせると、その広さは東京ドームの約35パーセントに相当する約1万7000平米におよぶ。取り扱いアーティストは、現存アーティストのオークションにおける過去最高額を記録したジェフ・クーンズをはじめ、ピカソ、アンディ・ウォーホル、ウィレム・デ・クーニング、村上隆など約86人。

ニューヨーク・チェルシーの西24丁目にあるガゴシアン・ギャラリー 出典=ウィキメディア・コモンズ

 そんな世界最大のメガギャラリーである「ガゴシアン」が、さらに拡張している。

 「ブルームバーグ」の報道によると、今月に入ってからガゴシアンはニューヨーク・チェルシーの西24丁目にある約2400平米のギャラリーと隣接する、メアリー・ブーン・ギャラリーとペース・ギャラリーの元スペースを引き継いだという。

 かつてニューヨーク「アートシーンの女王」と称されたメアリー・ブーンは、脱税のため2年6ヶ月の懲役刑を服役しており、その判決の一部としてギャラリーを閉鎖せざるを得なかった。いっぽう、メガギャラリーであるペースは、ニューヨークにある複数のギャラリーを、チェルシー・西25丁目にオープン予定の新しい旗艦店に統合しているため、西24丁目のスペースをクロードした。

ペース

ニューヨーク・チェルシーに建設中の「ペース」の新本社の完成予想図 Photo by Bonetti / Kozerski Architecture, courtesy Pace Gallery

 今秋、チェルシーに美術館レベルの旗艦店をオープンすることで、話題を集める「ペース」

 ペースは、1960年にアーネ・グリムシャーがボストンに設立。現在、ニューヨーク、ロンドン、香港、パロアルト、ソウル、ジュネーヴに9つのギャラリーを持ち、デイヴィッド・ホックニーやマーク・ロスコ、奈良美智、名和晃平、李禹煥など89人のアーティストの作品を紹介している。

 2008年、ペースは初のメガギャラリーとして中国・北京に出店。しかし、今年7月に中国本土で事業を行う困難さを理由に、北京支店をクローズした

今年7月に閉店したペース北京 Courtesy of Pace

 チェルシーにある8階建ての新本社ビルは、約7000平米の面積を持つ。屋内と屋外を含む5階にわたる展示スペースは、現在ペースのニューヨークでの展示スペースを2倍以上に拡大し、ガゴシアンに肩を並べることになる。

 オープン時には、各階の展示スペースで、アレクサンダー・カルダーやデイヴィッド・ホックニー、ロイ・ホロウェル、フレッド・ウィルソンなどの作家による5つの個展・グループ展を同時に開催する。

ハウザー&ワース

 イワン・ワースとマヌエラ・ワース、ウルスラ・ハウザーが1992年にスイス・チューリッヒに設立したハウザー&ワースは、現在ニューヨークで2店舗を経営しており、ロンドン、ロサンゼルス、香港など世界中に合計10の展示スペースを持っている。

 六本木ヒルズの入り口にある巨大な蜘蛛の彫刻で知られるルイーズ・ブルジョワや、マーク・ブラッドフォード、ジェニー・ホルツァー、ロニ・ホーン、ミカ・ロッテンバーグ、松谷武判など88人のアーティストの作品を取り扱っている。

 ハウザー&ワースは、チェルシー・西22丁目に建築家のアナベル・セルドーフによって設計された、約3300平米におよぶ5階建てのギャラリーを建設しており、20年春にオープン。その新しいビルには、展示スペース、事務所、本屋、図書館、会議室などが含まれる。

スペイン・メノルカ島にある「Isla del Rey」 Courtesy Hauser & Wirth Photo by Damian de Clercq

 ハウザー&ワースは、現代美術の展示だけでなく、トークイベントやワークショップなど、子供から大人までの教育プログラムにも注力。2014年、イギリス南西部の農村にアートセンター「ハウザー&ワース・サマセット」を設立し、展示のほか、学校や教育機関、一般人向けのアーティスト・キュレータートークやセミナーなどを行ってきた。また、20年にスペイン・メノルカ島に、同じ形式のアートセンター「ハウザー&ワース・メノルカ」も開設する予定となっている。