新しい自然観や環境観を提示する現代美術の最新動向に迫る、『美術手帖』6月号「新しいエコロジー」特集。
本号の刊行を記念して、同特集に関連したトークイベント「危機の時代のエコロジーを、アートを通して考える」が、6月12日19:00より本屋B&Bのオンライン配信で開催される。
出演者は、特集内で論考を寄稿した、環境哲学に関する著書やティモシー・モートン『自然なきエコロジー』の翻訳で知られる篠原雅武と、著書『現代美術史』で注目を集める気鋭の文化研究者・山本浩貴。
特集のインタビューに登場するオラファー・エリアソンやピエール・ユイグといった国際的に活躍するアーティストたちに多大な影響を与えているのが、環境哲学者ティモシー・モートンの思想だ。『自然なきエコロジー』をはじめとするテキストにおいて、モートンは詩や音楽、そしてアートについて言及しながら、「とりまくもの」としての独自の自然観・環境観を提示している。世界の知をリードする思想・哲学の新たな潮流とアートとの相互的な影響関係とは、どのようなものなのか。
また環境をテーマに扱うアートを考えるうえで、「社会と芸術」という視点も外すことはできない。資本主義や植民地主義による環境破壊や、人知を超える災害にも、各時代のアーティストたちは対峙し、想像力を駆使して力強いメッセージを打ち出してきた。
対談では、思想、社会、アートといった領域を横断しながら、ポスト・コロナにおける文化・芸術の可能性を探り、この危機的時代におけるエコロジーとアートについて議論を展開する。