EXHIBITIONS
井村一登「commission work」
Kanda & Oliveiraで、井村一登による個展「commission work」が開催されている。
本展では、ギャラリーの全フロアを使い、東京・浜松町の世界貿易センタービル解体現場の瓦礫を素材に制作した鏡、写真や映像から複合的に、反射率と「手数料」をテーマにインスタレーションを展開。井村が鏡制作で培ってきた手法をもとに、窓ガラスから金属やコンクリートなど、瓦礫の種類によって専門性の高い技法を使い分け、鏡の作品へと変容させた。
貿易とは、ものやサービスの売り買いの取引を意味し、その取引は売主・買主だけでは完結せず、多くの人が関わりそこに手数料が発生する。また、一般的に普及している鏡は反射率が83パーセント以上(JIS規格)となっており、それが製品としての鏡の条件ともされている。例えば、私たちが日常的に使っている洗面台のガラスミラーは反射率が約90パーセントで、10パーセントほど再現性を欠く。
「貿易」という名を冠する世界貿易センタービル解体現場で貰い受けたガラスを手にした井村は、日々洗面台で自分を見るときに欠けている10%ほどの再現性は、貿易における手数料のように、鏡を見るものが自身を再現するために支払っている「手数料=commission」なのではないかと考えた。なぜなら、本展のきっかけとなったのは、完全な反射などないとの考えを持つ井村が、私たちは鏡に映る像に知らず知らずのうちに代償を払っているのではないかと考えていたからであった。鏡は見るものを完全に再現しているわけではなく、当たり前のように再現しているわけでもないということである。
本展では、ギャラリーの全フロアを使い、東京・浜松町の世界貿易センタービル解体現場の瓦礫を素材に制作した鏡、写真や映像から複合的に、反射率と「手数料」をテーマにインスタレーションを展開。井村が鏡制作で培ってきた手法をもとに、窓ガラスから金属やコンクリートなど、瓦礫の種類によって専門性の高い技法を使い分け、鏡の作品へと変容させた。
貿易とは、ものやサービスの売り買いの取引を意味し、その取引は売主・買主だけでは完結せず、多くの人が関わりそこに手数料が発生する。また、一般的に普及している鏡は反射率が83パーセント以上(JIS規格)となっており、それが製品としての鏡の条件ともされている。例えば、私たちが日常的に使っている洗面台のガラスミラーは反射率が約90パーセントで、10パーセントほど再現性を欠く。
「貿易」という名を冠する世界貿易センタービル解体現場で貰い受けたガラスを手にした井村は、日々洗面台で自分を見るときに欠けている10%ほどの再現性は、貿易における手数料のように、鏡を見るものが自身を再現するために支払っている「手数料=commission」なのではないかと考えた。なぜなら、本展のきっかけとなったのは、完全な反射などないとの考えを持つ井村が、私たちは鏡に映る像に知らず知らずのうちに代償を払っているのではないかと考えていたからであった。鏡は見るものを完全に再現しているわけではなく、当たり前のように再現しているわけでもないということである。