国際賞「京都賞」や研究助成、京都大学やオックスフォード大学などの大学への寄付活動で知られている公益財団法人稲盛財団。新型コロナウイルスの影響で公演などの中止・キャンセルを余儀なくされた文化芸術活動に対し、同財団が総額3億円の支援策を実施することを発表した。
公益社団法人日本芸能実演家団体協議会の協力を得て実施されるこの文化芸術支援プログラムは、公演を中止またはキャンセルされた実演芸術団体やプロダクション、スタッフ会社、企画制作会社などの実演芸術関連企業の活動継続、そして次なる創作・公演準備のための資金への支援を目的にするもの。支援対象は、以下の要件をすべて満たす実演芸術創造団体など。
・法人格を有すること ・下記1〜4のいずれかに該当すること 1.一定数の実演家・専門スタッフを擁する創造団体 2.公演主催を行う実演家の協会組織 3.実演家が主宰、または実演家を擁するプロダクション、企画制作会社 4.舞台美術、大道具、音響、照明、衣裳、運送、特殊効果など、実演芸術を担うことを主たる業務としている法人 ・新型コロナウィルス感染拡大の影響下で、3月から4月にかけて公演自粛を行った、または依頼公演がキャンセルされたために、500万円以上の機会損失(収入減)が生じたこと ・事業全体における実演芸術関連事業の占める割合が、その費用額において50パーセント以上であること(実演芸術関連事業が主たる事業であること)
応募書類に基づいた審査によって決定される支援金額および件数は、1000万円×10件と500万円×40件になる(応募状況によっては件数および金額の配分を変更する場合もある)。審査基準は、当該実演芸術創造団体などが属する分野において果たしている役割や支援の緊急度などによって決定されるという。
募集期間は5月17日まで。支援金交付は6月上旬を予定している。
なお東京都も、活動を自粛せざるを得ないプロのアーティストやスタッフなどへの5億円規模の支援策を発表。アーティストが制作する未発表の動画新作を支払対象にしたこの支援策では、5月20日~6月12日の期間で4000人程度を募集し、ひとり当たり10万円を支払う予定だ。