美術評論家連盟、「あいちトリエンナーレ2019」の補助金交付決定について声明を発表。「表現の自由」擁護求める

3月23日、文化庁は全額不交付としていた「あいちトリエンナーレ2019」への補助金およそ7800万円を、6600万円に減額して交付する方針を示した。4月4日、美術評論家連盟はこの方針転換について声明を発表した。

文化庁外観

 3月23日、文化庁はこれまで全額不交付としていた「あいちトリエンナーレ2019」への補助金およそ7800万円を、愛知県が文化庁に提出した再申請に対して、6600万円に減額して交付する方針を発表した。

 4月4日、この方針転換について美術評論家連盟が声明を発表。「減額であっても交付が成されたことに対し一定の評価を表明します」とした。

 しかしながら、同連盟は声明のなかで以下のように問題提起も行っている。「展示が事前の計画通りではないことを理由に減額調整している点には、今後『表現の自由』が狭まっていく懸念を抱きます。また、一旦不交付の決定がなされた経緯は不透明なままであり、同じような事案が再び起こる可能性は払拭されていません。今後も、文化庁と各文化事業の主催者には「表現の自由」を擁護する対応を求めて参りたいと考えています」。

 美術評論家連盟は2019年9月29日に、「あいちトリエンナーレ2019」に対する補助金不交付決定に対して、「強く抗議し、その撤回を文化庁に要求します」とした抗議声明を萩生田文部科学大臣と宮田文化庁長官に送付していた。

 なお、文化庁の補助金交付決定に関し、「あいちトリエンナーレ2019」の芸術監督である津田大介参加アーティストは一定の肯定的評価を示しながらも、同連盟の声明と同様に、不交付や再交付の決定に至る経緯を明らかにすることを求めている。

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