文化庁、あいちトリエンナーレ2019の補助金を交付へ。7800万円から6600万円に減額

文化庁が不交付とした「あいちトリエンナーレ2019」への補助金に関し、減額して交付する方針となった。NHKが伝えた。

文化庁

 文化庁は、不交付としていた「あいちトリエンナーレ2019」への補助金に関し、決定を見直して交付する方針を固めた。

 NHKによると、文化庁は補助金を6600万円に減額して交付する予定だという。

 この補助金について、文化庁は「あいちトリエンナーレ2019」におけるいち企画「表現の不自由展・その後」の内容を受け、「事前の申請内容が不十分」だったとして補助金約7800万円の不交付を決定。「不自由展」展示再開の方針が示された9月25日の翌日のことだった。

>>まとめ:あいちトリエンナーレ2019「表現の不自由展・その後」展示中止にまつわるタイムライン

 この不交付については、美術評論家連盟や国際美術館会議(CIMAM)など数多くの組織が反対声明を発表。キャンペーンサイトでは10万筆もの撤回を求める署名が集まるなど、大きな動きが見られた。

 文化庁は、令和元年度の芸術選奨において、あいトリで「Jアートコールセンター」を立ち上げた高山明を新人賞に選定しており、これに伴い芸術監督・津田大介は文化庁に対し不交付撤回をTwitterで呼びかけていた。

 文化庁側は、この交付決定について経緯を説明。補助金申請者である愛知県から昨年10月24日に不服申出があり、その理由に関する照会を行ってきたことを明かした。

 愛知県は3月19日付け意見書を提出。そのなかで、「愛知県から、文化庁に対し、不交付理由に関して、補助金の申請を行った令和元年5月30日よりも前の段階から、来場者を含め展示会場の安全や事業の円滑な運営を脅かすような事態への懸念が想定されたにもかかわらず、これを申告しなかったことは遺憾であり、今後は、これまで以上に、連絡を密にする」という見解を示したという。

 文化庁によると、「展示会場の安全や事業の円滑な運営にかかる懸念に関連する経費等を減額する旨」は愛知県から申し出ており、文化庁はそれに沿うようなかたちで交付決定を行ったという。

*文化庁見解を追記しました

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