美術評論家連盟、「ひろしまトリエンナーレ2020」検討委員会設置案に対して声明を発表。「公然たる検閲」
美術評論家連盟は3月6日、「ひろしまトリエンナーレ2020」における検討委員会設置案に対して声明を発表した。
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今年9月から開催予定の国際芸術祭「ひろしまトリエンナーレ 2020 in BINGO」において、広島県は実行委員会とは別の検討委員会を設置する方針を示している。これに対し、評論家や学芸員、研究者など180名以上が加盟する美術評論家連盟(会長:林道郎)は3月6日、声明を発表した。
声明では、検討委員会に出展可否の検討と決定が委ねられることは「公然たる検閲である」と批判。「こうした働きを持つ検討委員会が外部に実際に設置されるならば、出展作、そして当該芸術祭そのものも、すべてこの実質上の検閲組織の許諾下にある非自律的な表現と解されることにならざるをえません」とした。
また、検閲が前提となれば表現が萎縮するとし、鑑賞や批評の対象としての純度も保証されなくなると懸念を表明。外部機関が設置されるならば「ひろしまトリエンナーレ」を「信頼に足る健全な国際展として認めることも相対することもできない」と強く批判している(全文は連盟の公式サイトにて閲覧可能)。
なお、この検討委員会案について報道したNHKのニュースサイトでは、現在記事が削除されている。
*会長名を修正しました(2020年3月10日)