人間にとって「うた」とは何か? なぜ人間は「うたう」のか? そんな根本的な問いを投げかけるドキュメンタリー映画『うたのはじまり』が、2020年2月22日より順次公開される。
本作は、“ろう”の写真家として知られる齋藤陽道を主人公にしたドキュメンタリー。齋藤は20歳で補聴器を捨て、カメラを持ち、写真の世界へと飛び込んだ。
あらゆる種別や境界を超え、真っ直ぐに対象と向き合って撮影された作品は高く評価されており、13年にワタリウム美術館で個展「宝箱」を開催。14年には「日本写真家協会賞」新人賞を受賞した。写真集やエッセイも多数出版しており、今年12月下旬には『感動、』(赤々舎)を刊行する。
幼少期の体験によって歌や音楽が嫌いになってしまった齋藤。その齋藤が、同じく“ろう”の写真家・盛山麻奈美と結婚し、聴者の息子を授かったことから、齋藤に「うた」に対する変化が生まれる。
赤ん坊をあやすために、齋藤の口から自然とこぼれた子守唄。齋藤が聴くことができない「うた」とはどんなかたちで、どんな色なのか?
本作では、七尾旅人、飴屋法水、藤本猛夫といった人々との会話やコミュニケーションを通じ、齋藤が「うた」とは何かを問う。