『英国王のスピーチ』や『グランド・ブダペスト・ホテル』などで知られ、『シェイプ・オブ・ウォーター』でアカデミー賞を受賞した映画音楽の巨匠アレクサンドル・デスプラが、初のオペラ『サイレンス』を書き下ろした。ノーベル賞作家・川端康成の短編「無言」を原作とした本作は、今回、川端康成生誕120周年記念作品として2020年1月25日に神奈川県立音楽堂で上演される。
「無言」に登場するのは、病気で舌も右手もしびれ、寝たきりで一言も発さず、一文字も書かなくなってしまった大宮明房という66歳の小説家と、そんな明房を見舞いに行く「私」。帰路のタクシーの中で、「私」が運転手から「美しい女の幽霊が無言で隣に座っている」と告げられるホラーのような物語だ。
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本作は、19年2月のルクセンブルクでの初演を皮切りに、3月にパリで上演されたばかり。演奏は、デスプラの制作に刺激を与えているというルクセンブルクを拠点とする世界最高峰の現代音楽アンサンブル「アンサンブル・ルシリン」が行う。
デスプラ自身による指揮はもちろん、ヴァレンティノのクリエイティブ・ディレクターであるピエルパオロ・ピッチョーリが担当した衣装や、フランスで活躍する永田鉄男が撮影監督を務めた映像にも注目したい。
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