ギリシャ神話をアレンジ。マシュー・バーニーの新作フィルム『リダウト』が東京都写真美術館で日本初公開へ

アメリカを代表するアーティストのひとり、マシュー・バーニーの新作フィルム『リダウト』が、10月31日と11月1日の2日間限定で東京都写真美術館ホールにて日本初公開される。

マシュー・バーニー Redoubt 2018 Production still (C)Matthew Barney, Courtesy Gladstone Gallery, New York and Brussels, and Sadie Coles HQ, London. Photo by Hugo Glendinning

 アメリカを代表するアーティストのひとり、マシュー・バーニーの新作フィルム『リダウト』(2018)が、10月31日と11月1日の2日間限定で東京都写真美術館ホールにて日本初公開される。4Kの高画質プロジェクターと7.1chサウンドシステムを常設した劇場空間での上映は、アメリカを除いては世界初の試みとなる。

 マシュー・バーニーは1967年カリフォルニア州サンフランシスコで生まれ。イェール大学入学までをアイダホ州都のボイジーで過ごした。『リダウト』は、そんなアイダホ州でロケ撮影された作品。マシュー・バーニーは、ロッキー山脈に隔てられ独自の文化を持つ同州を「天然の要塞のよう」と称する。本作のタイトル「redoubt」は、英語で「要塞」を意味する。

マシュー・バーニー Redoubt 2018 Production still
© Matthew Barney, Courtesy Gladstone Gallery, New York and Brussels,
and Sadie Coles HQ, London.  Photo by Hugo Glendinning

 ストーリーの下敷きとなったのは、ルネサンス期のイタリア人画家ティツィアーノ・ヴェチェッリオが画題に選んだことでも有名なギリシャ神話『ディアナとアクタイオン』。猟師アクタイオンが女神ディアナとディアナに仕えるニンフたちの水浴を誤って目撃するというこの神話を、マシュー・バーニーは冬のアイダホ州ソートゥース山脈における野生動物と人間の関係の物語に仕立てた。

 本作にはマシュー・バーニー自身も出演。学生時代は医学を専攻し、スポーツ選手としても活躍していたマシュー・バーニーは、キャリアの初期から自身の肉体を駆使したパフォーマンスや、身体の変容を描く作品を数多く発表してきたが、本作では物静かな銅板彫刻師の役を演じている。

 本作は今回のプレミア公開後、2020年1月より東京を皮切りに全国順次公開される予定。また、マシュー・バーニーが立体作品を出品している「岡山芸術交流2019」でも、連携プロジェクトとして11月23日に、岡山市内の映画館シネマ・クレール丸の内にて一度限りの特別上映会を行うという。なお来年1月より、東京を皮切りに全国順次公開される。

編集部

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