ロシア・ノヴォシビルスクを拠点に活動を行う劇団「レッドトーチ・シアター」の初来日公演が、10月18日から20日までの期間、池袋の東京芸術劇場で行われる。
今回見ることができるのは、全編がロシア手話で構成され、ヨーロッパ各地の芸術祭で大きな話題となった『三人姉妹』。原作は、1900年にロシアを代表する劇作家、アントン・チェーホフによって『かもめ』『ワーニャ伯父さん』『桜の園』とともに発表された「チェーホフ四大戯曲」のひとつであり、いまもなお本国のみならず日本においても頻繁に上演される人気のレパートリーだ。
レッドトーチ・シアターの芸術監督でもある演出家のティモフェイ・クリャービンは、この名作を全編手話という実験的な舞台へと昇華。本作で、登場人物は手話や身振り、表情で会話し、自然音や生活音、息遣いなどのノイズで舞台を弾ませる。
チェーホフの戯曲の奥底に分け入り、独特の手法を用いてその核心に迫る本作。フィジカルをきわめた熱演を見せる俳優陣と、知的な仕掛けに満ちた装置から生み出される人間ドラマを堪能したい。