街中で体験する、ダンスと音楽の交感。パフォーマンスで日常風景を異空間に変える「LAND FES」が深川で開催

街中の様々な場面にパフォーミングアートを持ち込み、舞台と日常生活空間が入り交ざった異空間を現出させる。ダンサーとミュージシャンの即興ライヴによってそれらを試み、コンテンポラリーダンスシーンに刺激を与え続けているイベント「LAND FES(ランドフェス)」の最新公演が5月18日に東京都江東区の深川エリアで行われる。

2019年3月 江東区深川資料館通り商店 ダンス=中村蓉 撮影=木村雅章

 これまでに吉祥寺、西小山、高円寺、中延などで行われてきた「LAND FES(ランドフェス)」の舞台は、八百屋や古書店、美容院、ブティック、立ち呑み酒場、接待飲食店などから、雑居ビルの屋上、雑木林、公園、工場そして路上や河川敷、民家といった街全体。

 多種多様なスポットをテンポラリーな舞台に見立て、先鋭的なダンサーとミュージシャンがその場限りの即興演奏を披露。オーディエンスは街中の数ヶ所に設けられた会場をダンサーに導かれながら周遊し、「ありふれた/見慣れた場所」が非日常へと移り変わっていく約80分を体験するというものだ。

中村蓉

 その「LAND FES」が5月18日、東京都江東区の深川エリアで行われる。

 山海塾舞踏手の松岡大が立ち上げ、ディレクションも手がけるこのイベントは、これまで西小山、高円寺、中延、仙川、沼津といった街で開催。なかでも調布市仙川においては、インプロビゼーションを主体とした音楽フェスティバル「JAZZ ARTせんがわ」と5年間にわたって共同開催を重ねてきた。「即興の可能性を引き出せる場所は、日常の中にこそあるはず。定型化された空間に押し込められたパフォーマンスの場を拡張し、街の中に誰も見たことのない風景を描きたい」と松岡はその狙いを語る。

細川麻実子

 過去には、ダンス・舞踏からは大野慶人、岩下徹、奥野美和、笠井瑞丈、川村美紀子、ハラサオリ、スズキ拓朗。音楽家では巻上公一、坂本弘道、カール・ストーン、吉田隆一、齋藤徹、モーガン・フィッシャー、ピーター・エヴァンスらが出演。また、中山晃子、宇川直宏といった美術家との連携も試みられている。

 そして今回は昼・夜の2回制となっており、昼の部では中村蓉(ダンス)、星衛(チェロ)、狩俣道夫(フルート)、武田理沙(キーボード)が出演。演劇的な要素を取り入れたダンスを持ち味とする中村が、個性的なミュージシャン3人と競演する。

川合ロン

 夜の部は1対1のセッションが3本。細川麻実子(ダンス)×マルコス・フェルナンデス(パーカッション)、川合ロン(ダンス)×鈴木ちほ(バンドネオン)、川口隆夫(ダンス)×森重靖宗(チェロ)の3組が出演し、各々がパフォーマンスする場所・順番は、開始まで明かされないという。

 ダムタイプへの参加でも知られる川口は、LAND FESには今回が初登場となる。昼の部・夜の部ともに定員は25名となっており、前売り券は完売。当日券の有無は前日までに公式ウェブサイトに掲載されるためチェックしてほしい。

川口隆夫

編集部

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