「あいちトリエンナーレ2019」に参加している海外作家たちが、一斉に声を上げた。
『ARTNEWS』によると、すでに展示辞退を正式に表明し、展示が中止されている韓国のアーティスト、イム・ミヌクとパク・チャンキョンの2名に加え、ウーゴ・ロンディノーネ、タニア・ブルゲラ、ピア・カミル、クラウディア・マルティネス・ガライ、レジーナ・ホセ・ガリンド、ハビエル・テジェス、モニカ・メイヤー、レニエール・レイバ・ノボ、ドラ・ガルシアの9作家がキュレーターのペドロ・レイエスとともに12日付で『ARTNEWS』宛のオープン・レターを公開。
「IN DEFENSE OF FREEDOM OF EXPRESSION」(表現の自由を守るために)と題されたこのオープン・レターでは、「表現の不自由展・その後」の展示中止を強く非難するとともに、安全管理が徹底されたうえでの会期終了までの展示再開を主張。「出展するアーティストの声や作品を守ることは、倫理的な義務だと考えています。表現の自由は、いかなる文脈からも独立して擁護される必要がある、奪うことのできない権利である」としている。
またオープン・レターでは展示中止が十分なプロセスを経たものではないとしており、「表現の不自由展・その後」展示再開の重要性を主張してきたものの、展示再開に関する明確な情報が与えられなかったと主張。「検閲された芸術家との連帯の公共の印として、『表現の不自由展・その後』が一般公開されていない間、トリエンナーレでの私たちの作品の展示を一時的に中止するよう主催者に要求する」と自らの作品展示の中止を求めた。
なおこのオープン・レターは「Freedom of expression matters.」(表現の自由は重要である)という一文で締めくくられている。
今回署名したアーティストたちは、あいちトリエンナーレ2019において重要な位置を占める作家たちだ。
ウーゴ・ロンディノーネの《孤独のボキャブラリー》はメインビジュアルにその作品が使用されており、ペドロ・レイエスとモニカ・メイヤーは「男女平等」を掲げる今回のトリエンナーレのキーパーソンでもある。どのアーティストが欠けても本来のあいちトリエンナーレ2019の姿は維持できない。これほど多くのアーティストが展示中止を表明したことで、状態が一層混迷することは明らかだ。
※タイトルを一部修正しました