舞台芸術における「創造」と「交流」の実験の場を目指し、2010年にスタートした「KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭」。これまでに引き続き、橋本裕介がプログラムディレクターを務める今回は「
見どころは、モロッコを拠点とするブシュラ・ウィーズゲン、南アフリカを拠点とするネリシウェ・ザバ、イランを拠点にするアミール・レザ・コヘスタニなど、KYOTO EXPERIMENTにとって初となる地域から招聘されるアーティストの作品。サイレン・チョン・ウニョンや神里雄大、庭劇団ペニノらは、アイデンティティの揺らぎや遷移、現実とフィクションの往還を提示する。
KYOTO EXPERIMENTとの共同製作にも注目したい。今回、本フェスティバルに度々登場してきたアーティストたちとフェスティバルのコラボレーションにより、新たな創作を見ることができる。テクノロジーとスピリチュアルの力を交錯させるチョイ・カファイの新作、チェルフィッチュと美術家・金氏徹平がコラボレーションした、人間中心主義を脱するための演劇作品、そして久門剛史は自身にとってかつてないスケール、かつ劇場という特別な空間で、初の舞台作品を制作する。
また、KYOTO EXPERIMENTにとって初となるミーティングポイントも設置される。建築家ユニット「dot architects」が設計し、ロームシアター京都ローム・スクエア内に期間限定で設置する特設ステージ「シマシマジマ」。ここでは、スタッフによるおすすめプログラムの紹介や、ドリンクの提供があるほか、公式プログラムのチケットの購入も可能になる。
公式プログラムのほかに、フェスティバル会期中に京都中に展開するフリンジ(フェスティバルのメインプログラムを取り巻いて行われる様々なイベント)の「オープンエントリー作品」では、51もの演劇、ダンス作品などが揃う。
多くの人々で賑わう秋の京都。KYOTO EXPERIMENTには公演チケット付宿泊プランなどもあるため、プログラムを確認して早めの計画をおすすめしたい。