「KYOTO EXPERIMENT 2019」の全プログラムが発表。テーマは「世界の響き —エコロジカルな時代へ」

今年10回目を迎える「KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭」が全プログラムを発表した。今回は「世界の響き ーエコロジカルな時代へ」をプログラムのテーマに日本を含む世界の6の地域から先駆的な活動を行うアーティストを招き、11の公式プログラムで構成する。会期は10月5日〜27日。

ネリシウェ・ザバ Bang Bang Wo / Plasticization Photo by Candida Merwe

 舞台芸術における「創造」と「交流」の実験の場を目指し、2010年にスタートした「KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭」。これまでに引き続き、橋本裕介がプログラムディレクターを務める今回は「 世界の響き エコ=モンド ーエコロジカルな時代へ」をテーマに、日本を含む世界の6の地域から先駆的な活動を行うアーティストが京都に集結する。

チョイ・カファイ 存在の耐えられない暗黒 Photo by Katja Illner
アミール・レザ・コヘスタニ/メヘル・シアター・グループ Hearing Photo by Amir Hossein Shojaei

 見どころは、モロッコを拠点とするブシュラ・ウィーズゲン、南アフリカを拠点とするネリシウェ・ザバ、イランを拠点にするアミール・レザ・コヘスタニなど、KYOTO EXPERIMENTにとって初となる地域から招聘されるアーティストの作品。サイレン・チョン・ウニョンや神里雄大、庭劇団ペニノらは、アイデンティティの揺らぎや遷移、現実とフィクションの往還を提示する。

チェルフィッチュ×金氏徹平 消しゴム山 ©︎Shota Yamauchi
久門剛史 らせんの練習 ©︎Tsuyoshi Hisakado

 KYOTO EXPERIMENTとの共同製作にも注目したい。今回、本フェスティバルに度々登場してきたアーティストたちとフェスティバルのコラボレーションにより、新たな創作を見ることができる。テクノロジーとスピリチュアルの力を交錯させるチョイ・カファイの新作、チェルフィッチュと美術家・金氏徹平がコラボレーションした、人間中心主義を脱するための演劇作品、そして久門剛史は自身にとってかつてないスケール、かつ劇場という特別な空間で、初の舞台作品を制作する。

サイレン・チョン・ウニョン 変則のファンタジ_韓国版 ©︎Namsan Arts Center

 また、KYOTO EXPERIMENTにとって初となるミーティングポイントも設置される。建築家ユニット「dot architects」が設計し、ロームシアター京都ローム・スクエア内に期間限定で設置する特設ステージ「シマシマジマ」。ここでは、スタッフによるおすすめプログラムの紹介や、ドリンクの提供があるほか、公式プログラムのチケットの購入も可能になる。

 公式プログラムのほかに、フェスティバル会期中に京都中に展開するフリンジ(フェスティバルのメインプログラムを取り巻いて行われる様々なイベント)の「オープンエントリー作品」では、51もの演劇、ダンス作品などが揃う。

 多くの人々で賑わう秋の京都。KYOTO EXPERIMENTには公演チケット付宿泊プランなどもあるため、プログラムを確認して早めの計画をおすすめしたい。

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編集部

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