東京・丸の内の出光美術館が、アメリカのビッグコレクターとして知られるエツコ&ジョー・プライス夫妻(プライス財団)のコレクションから、190点におよぶ日本美術を購入した。
購入したのは、伊藤若冲の代表作のひとつであり、「升目描き」の技法によって描かれた《鳥獣花木図屏風》(18世紀)をはじめ、円山応挙《虎図》(1785)、酒井抱一《三十六歌仙図屏風》(19世紀)など、いずれも日本美術を代表する名品の数々。
プライス夫妻は、そのコレクションを広く紹介するため、1988年にはロサンゼルス・カウンティ美術館に日本館を新設。また日本においてもたびたびコレクションを展覧会として出品しており、近年では高齢を理由にコレクションを日本に戻すことを希望していた。そして今回、クリスティーズを通じて出光美術館が作品を購入(購入額は非公開)。里帰りを果たす。
出光美術館では、この190点のなかから約80点を紹介する特別展「江戸絵画の華」を、2020年9月19日より開催。上述の若冲《鳥獣花木図屏風》を筆頭に、応挙の屏風絵、肉筆浮世絵、酒井抱一、鈴木其一ら江戸琳派の優品を2期に分けて展覧する。