フランス・パリ16区にある美術館、パレ・ド・トーキョー(Palais de Tokyo)。1937年のパリ万博の際に「近代美術宮殿」として開館したのち、様々な文化施設としての変遷を経て、2002年に現代美術を中心とした施設となった。現代美術の展示を中心に、映像作品の上映会やパフォーマンスの公演などが同時期に複数開催されているほか、ショップやカフェも充実している世界中の若者から人気の美術館だ。エッフェル塔からもほど近く、隣接するパリ市立近代美術館をはじめ、近辺にはガリエラ宮モード美術館やイヴ・サンローラン美術館といったファッションの美術館やギメ東洋美術館などもあり、日本からの観光客も多い。
このパレ・ド・トーキョーが5月5日、「パリ・ナチュリスト協会(Paris Naturists Association)」と協力してヌーディストを対象とした特別開館を行うことを決めたとフランス通信社(AFP通信)が報じた。これは開館時間前の午前中にガイド付きで行われるもので、ヌーディストたちは他の来館者のいない空間で全裸で展示を見ることができるという。AFPによると、パレ・ド・トーキョーの広報担当者は「イベントの狙いは美術館の「寛容さ」を示すことだ」と応えたとのこと。
パリでは昨年からヌーディスト向けのレストランがオープンするなどしており、今回のパレ・ド・トーキョーもその流れに追従するものだと見られる。パリ市内の美術館の中でも、比較的自由な空気のあるパレ・ド・トーキョー。今後の同館やパリ市内の他施設の動向にも注目が集まる。