アルベルト・ジャコメッティ(1901〜1966)は彫刻家として広くその名を知られるが、肖像画などの油彩作品や素描、版画なども精力的に制作していた。1月5日より公開されている映画『ジャコメッティ 最後の肖像』では、ジャコメッティと彼の肖像画の最後のモデルとなったアメリカ人作家、ジェイムズ・ロードとの交流が衝撃的かつコミカルに描かれている。
本作に関連して、日本の写実主義を代表する画家のひとりである諏訪敦と、東京大学准教授の桑田光平が、「画家」としてのジャコメッティを語るトークイベントが開催される。
映画の中で度々「みたままに描きたいがかけない」と口にするジャコメッティ。諏訪も「どうせなにもみえない」というタイトルの作品を描いており、2011年に刊行された作品集もその名を冠している。
見た目には異なる作風のジャコメッティと諏訪の共通項である"視覚認識の絶え間ない更新"という思考をポイントに、 「写実とは何か」「肖像画とは何か」という問いに迫る。