ドキュメンタリーの視点で肖像画を描く。諏訪敦が西日本で初の本格的個展を開催

対象の内面までも描き出すような緻密な人物画で知られる画家・諏訪敦が、福岡県の三菱地所アルティアムで個展を開催する。会期は10月7日〜11月5日。

東と西 2015 キャンバスに油彩 325×453mm © Atsushi SUWA Courtesy of Gallery Naruyama

 超絶技巧とも言える描写力で緻密に描かれた人物画で知られる画家・諏訪敦。その作品は、表面的な姿を写し取るだけに留まらず、対象とのコミュニケーションや綿密な取材をもとにした複眼的な考察により、対象の社会的な背景や個の在り様までも描き出している。2016年には、満州で亡くなった自身の祖母の姿を70年以上の隔たりと闘いながら描き、その制作過程がNHK ETV特集で取り上げられ話題を呼んだ。

制作風景 2014年6月8日 撮影=広瀬達郎[芸術新潮]

 西日本で初の本格的個展となる本展では、2011年以降の平面作品を中心に、最新作を含む26点を展示。上述の祖母を描いた作品《HARBIN 1945 WINTER》を初めて本格的に展示するほか、シリア・アレッポの銃撃戦で亡くなったジャーナリスト・山本美香の肖像画も展示。また、諏訪の制作に迫った短編のドキュメンタリー映像もあわせて紹介する。

編集部

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