小平雅尋は1972年東京都生まれ。東京造形大学在学中より高梨豊や田村彰英に写真を学び、96年からは写真家・大辻清司の作品アーカイブプロジェクトに参加した。タカ・イシイギャラリー フォトグラフィー/フィルムでの個展は、2015年の「他なるもの」以来、3年ぶり2度目となる。
小平は今回、意識する前に眼が既に物事をとらえているという状態に注目。人間存在の表れを「自分自身であることを自覚する意識」と「自身の意識をコントロールしようとする『何か』」で構成される二重の存在と考え、隠れた「何か」との接触を試みて作品を制作。それらを新たなシリーズ「在りて在るもの」とした。
同シリーズでは、前作「他なるもの」で撮影した自然現象に加えて、人や都市へと撮影対象を拡大し、社会のなかに積極的に身を投じた。本展では、このシリーズから13点を展示し、「世界と人がどのように結びついているのか、あるいは結びつくことができるのか」を提示する。