コズミックワンダーと工藝ぱんくす舎が考える、いにしえより伝わる「紙」の可能性

古来から伝わる手仕事に着目した活動を展開している「コズミックワンダー」と、精神の空間を創造する美術ユニット「工藝ぱんくす舎」による紙をテーマにした展覧会が、銀座の資生堂ギャラリーで開催される。会期は8月29日〜10月22日。

パフォーマンス「お水え」 撮影=長島有里枝

 生活を豊かにするものとしての工芸に着目し、美術と同様に多くの展覧会で工芸を取り上げてきた資生堂ギャラリー。今回は、「コズミックワンダー」と、コズミックワンダー主宰・前田征紀と工藝デザイナー・石井すみ子の美術ユニット「工藝ぱんくす舎」による展覧会を開催する。

 テーマは、生活のなかでもっとも身近な工芸とも言える「紙」。なかでも、天然の素材を使い手作業でつくられる手すき和紙に焦点を当てる。

 工藝ぱんくす舎は、紙の魅力を引き出すものとして、すべての生命の源であり和紙づくりにかかせない「水」にフォーカスし、お茶会に着想を得た湧水をふるまうセレモニー「お水え」を創案。本展では、そのしつらえや道具、また「お水え」からイメージを膨らませてつくられた和紙や土器などの工芸作品を展示する。道具やその他の演出は、日本の文化の源泉としての縄文をイメージしたものとなっている。

 2016年に島根県立石見美術館で開催された「お水え いわみのかみとみず」展を再構成して開催される本展。佐賀県唐津市の紙漉師・前田崇治の協力により作成された新作も加わり、紙のもつ新たな可能性を探るとともに、いにしえより伝わる深い知恵を再考する展示となる。

編集部

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