イタリアのボローニャで毎年行われる「ボローニャ・チルドレンズ・ブックフェア」は、50年以上の歴史をもつ児童書専門の見本市。これに伴って行われるのが、世界で最大の規模を誇る絵本原画コンクール「ボローニャ国際絵本原画展」だ。
新人イラストレーターの登竜門として知られるこの原画展の魅力は、実験的で多様な絵本表現が見られることだ。今年は、過去最多となる61か国3368点の応募作品のなかから、26か国75組が入選。本展ではこれらすべての作品を展示する。
本展に出展する作家の中で注目を集めているのが、2016年にボローニャ展に入選し、同時に「ボローニャ・SM出版賞」を受賞した、メキシコの絵本作家フアン・パロミノ(Juan Palomino)。今回は、受賞を記念して刊行された、マヤの神話をもとにした壮大な物語『はじまりの前に』の原画17枚を展示する。
また、今年のブックフェアで評判を呼んだ、日本の絵本を展示するブースで紹介された絵本も登場。言語の壁を越えた日本の絵本の魅力を堪能することができる。
会期中は、入選作家による講演会や、絵本をつくることができる講座、子どもむけのワークショップなど、多くのイベントが企画されている。また、夏に開催される、ちひろ美術館(東京)と安曇野ちひろ美術館(長野)での展示と連携し、入館料の相互割引も行っているので、そちらにも足を伸ばしてみたい。