隆起サンゴ岩から地下ダムまで。島全体を展示空間に
主要作品のひとつが、宮尾昇陽による《まばたきのあわい The liminal blink》だ。スギラビーチにある隆起サンゴ岩をスクリーンとして映像を投影し、島の地質そのものを作品の一部として取り込む。
また、立石従寛の《いつひろに Five Fathom Down》は、全長366メートルに及ぶ地下ダムトンネルを会場とした音響インスタレーション。普段は美術作品の展示場所として想定されない地下空間を活用し、音を通じて島の環境を体験する作品となる。

小野津神宮公民館では、八木夕菜が《島が海だったとき When the Island Was Sea》を発表。サンゴと時間を手がかりに、かつて海だった土地の記憶をたどるインスタレーションを展開する。さらに、喜界島サンゴ礁科学研究所では、山崎敦子による《c_cycle of coral》を展示。島とサンゴをめぐる化学的な循環を可視化する試みだ。
また、会期後半の11月6日〜9日には、約300人が参加する「日本サンゴ礁学会」も併催される。学術研究と芸術表現を同じ島で展開することで、科学的な知見を専門家以外の人々にも伝えることを目指す。10月30日にはオープニングセレモニーを開催し、隆起サンゴ岩への映像投影のほか、島唄三味線や八月踊り、六調などのパフォーマンスも予定されている。
なお、2027年1月には京都・伏見の河港跡「伏見港」の珊瑚庵で巡回展の開催も予定されている。喜界島の地質や環境を起点とした表現が、島外へと展開していくことになる。
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