「寛永行幸四百年祭」が京都で開催。江戸時代の「寛永文化」が令和によみがえる【2/2ページ】

 さらに、京都各所では様々な関連事業も実施。京都文化博物館では、寛永文化と寛永行幸を軸に、江戸時代前半に花開いた京都文化の粋を紹介する特別展「寛永太平がはぐくむ美」(2026年9月19日~11月15日)が開催される。

参内図屏風
京都文化博物館
重要文化財 狩野山楽筆 二条城二の丸御殿〈大広間〉四の間 松鷹図 部分 寛永3年(1626)
京都市(元離宮二条城事務所)
重要文化財 薙刀直し刀骨喰藤四郎
京都・豊国神社

 二条城では、寛永行幸の際に使用された二の丸御殿の部屋の障壁画が4期にわたって公開される。二の丸御殿の障壁画は、後水尾天皇の行幸に先立ち、徳川将軍家が寛永元年から3年(1624~26)にかけて行った大改修の際、狩野探幽率いる狩野派の絵師たちによって描かれたもの。1982年にはその一部が重要文化財の指定を受けており、原画は「二条城障壁画展示収蔵館」に収蔵されている。

重要文化財 狩野探幽筆 二条城二の丸御殿障壁画 大広間 三の間 松孔雀図 部分 寛永3年(1626)
京都市(元離宮二条城事務所) ※夏期展示予定
重要文化財 狩野尚信筆 二条城二の丸御殿障壁画 黒書院 一の間 桜花雉子図 部分 寛永3年(1626)
京都市(元離宮二条城事務所) ※冬期展示予定

 鹿ヶ谷の泉屋博古館では、特別展「寛永行幸―花の都の文化人-」(仮、2026年9月5日~10月18日)が開催予定。泰平の世を告げ新たな文化胎動につながった寛永行幸を振り返るとともに、そののち17世紀後半にかけて展開した優美な寛永文化に注目。後水尾天皇、東福門院、小堀遠州、千宗旦、俵屋宗達、野々村仁清など、身分を越えきら星の如く輩出した文化人たちの美意識と交流を紹介する。

京都市指定文化財 二条城行幸図屏風 右隻 江戸時代(17世紀)
泉屋博古館
小井戸茶碗銘六地蔵 中興名物 朝鮮時代(16世紀)
泉屋博古館東京
伝東福門院 押絵「楊貴妃」 江戸時代(17世紀)
泉屋博古館

 ほかにも、来年の開催に先立ち、「寛永行幸四百年祭」を記念した特別看板も二条城東大手門前に10月31日より設置されるほか、「寛永文化講座」などの連続講座も開催予定。詳しくは特設ウェブサイトをチェックしてほしい。