「NADiff a/p/a/r/t」最後の展覧会。Chim↑Pom from Smappa!Groupが飾る「ほたるのひかり」【2/2ページ】

 そして、ギャラリーの最終章を飾るものとなる今回の「ほたるのひかり」展では、地下階に封じ込められていた壁画群が再び公開され、その壁画を覆っていた白壁が展示の中心となる。また、これまで本や商品が販売されてきた1階では、地下から掘り出された「物質」や、昨年の雨漏りで傷んだChim↑Pomの倉庫から出てきた「掘り出し物」が並ぶガレージセールも開催される。これらのアイテムは、観客が手にすることで新たな意味を持ち、作品や場所の歴史を反映した「物語」として広がるだろう。

NADiff a/p/a/r/t 店内

 「ほたるのひかり」という展覧会タイトルは、NADiff a/p/a/r/tがオープン時に放った蛍に由来するとともに、閉店そのものを象徴している。2008年の開店当初に掲げられた「日本のアートは10年遅れている 世界のアートは7、8年遅れている」という言葉や、その後の17年間にわたる多くの展覧会が、NADiff a/p/a/r/tの歴史をかたちづくった。

 さらに、3月15日にはChim↑Pom from Smappa!Groupによるトークイベントも開催される予定。2008年当時から18年の10周年記念展、そして今回の「ほたるのひかり」に至るまでの展示制作のエピソードや、ガレージセールに並ぶ「掘り出し物」の思い出、さらには日本と世界のアートについて、メンバー全員が語り合う貴重な機会となる。

編集部