第2章では、ミュシャの生涯と思想をより深く掘り下げる。挿絵本『主の祈り』やホログラムで再現されたミュシャの姿が登場し、彼の声とともに作品に込められた哲学を感じることができる。また、第3章では、ミュシャのアトリエを再現し、制作過程やモデル写真、筆を動かす音など、世紀末の創作環境を体感する仕掛けが用意されている。
第4章では、サラ・ベルナールとの協働によるポスター作品やミュシャの独自の様式が紹介される。3Dアニメーションを駆使した映像演出により、作品が現実の俳優と融合し、ポスターの人物像が動き出すかのような臨場感を生み出している。
また、第5章ではミュシャの影響力に焦点を当て、その作品が1960年代のサイケデリック・アートや日本の少女マンガに与えた影響を探る。波津彬子や天野喜孝など現代のアーティストたちが語るインタビューと映像を交え、ミュシャの芸術がどのようにして多くの人々にインスピレーションを与え続けているのかが紹介される。
日本での初上陸を果たした「永遠のミュシャ」展。ミュシャの作品に新たな視点を提供すると同時に、その普遍的な魅力を多くの人々に再確認させる場となるだろう。
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