山口情報芸術センター[YCAM]で、ウェンデリン・ファン・オルデンボルフによる新作展覧会「Dance Floor as Study Room—したたかにたゆたう」が開催される。会期は11月30日〜2025年3月15日。
ファン・オルデンボルフはオランダ現代美術を代表するアーティストのひとり。これまで映像作品やインスタレーションを通じて、人種差別、ジェンダー問題、歴史、植民地主義などの支配的言説や権力構造に対峙する数々の作品を発表しており、2022年11月に東京都現代美術館で開催された個展「ウェンデリン・ファン・オルデンボルフ 柔らかな舞台」は記憶に新しい。とくに近年では、日本とオランダ、そしてインドネシアにゆかりのある女性アーティストのリサーチを進めており、そのなかには山口県ともゆかりの深い、女優・映画監督の田中絹代(1909〜77)や、作家の林芙美子(1903〜51)も含まれているという。
本展では、こうしたアーティストたちに焦点を当てて制作した脚本による新作とこれまでに制作された作品のほか、多様な文化や社会を表す装置として、会場をダンスフロアに見立てたインスタレーションを展開するという。
会期中にはほかにも、YCAMがこれまでに培ってきたワークショップ開発のノウハウを駆使し、他分野の識者、研究者、アーティストなどを招き実施するトークイベントや対話型観賞イベント、読書会など、展覧会の鑑賞体験を深めるための多彩な関連イベントも予定されている。