東京・麻布台ヒルズの「Gallery & Restaurant 舞台裏」で、ロンドンと東京を拠点にする映画監督/アーティストである石原海の個展「激雷」を開催される。会期は10月17日 〜11月10日。
石原海は2018年東京藝術大学 先端芸術学科修了、ロンドン大学ゴールドスミス校アーティストフィルム学科在学中。社会から疎外された人々やコミュニティを描くことをおもなテーマに、個人的な記憶と社会問題を織り交ぜた物語ベースの作品を制作をしている。
近年のおもな参加展覧会に「スウィート・ホーム・スウィート」(国立国際美術館、 2023)、第14回恵比寿映像祭 (東京都写真美術館、2022)など。第15回資生堂アートエッグ入選 (2021)、『ガーデンアパート』『忘却の先駆者』がロッテルダム国際映画祭に選出(2019)、Bloomberg New Contemporaries 入選(2019))、現代芸術振興財団 (CAF賞)岩渕貞哉賞受賞(2015)。
本展は、作家がロンドン大学ゴールドスミス校在学中に制作した新作映像《激雷》(2024)を中心としたインスタレーションを公開。プロデューサーに オスカー・ニールセン、主演にアオイヤマダを迎え、全編を熊本で撮影した。
《激雷》の舞台は、日本の架空の小さな山村。雷が頻繁に落ちることで知られるこの村では、雷に打たれて生き延びた者だけが踊り子になれる地下クラブが秘密裡に営まれています。また、この山村には蟹が暮らしており、その存在も物語において重要な役割を果たす。日常の中で起きる落雷をきっかけに、人間と生物界との対立や自然現象との共存を探ることとなる。
本展に際して、石原は次のステートメントを発表している。
雷に打たれたら多くの人は死んでしまうけど、時々、奇跡的に生き延びる人たちがいる。その中には不思議な能力を手に入れる人もいるそうだ。不条理としか言えない偶然の不運、経済的・政治的・身体的な不運に置かれている人々がいるこの社会において「死んでしまいそうなくらいひどい出来事が結果的にいい出来事に繋がった」なんて言えない。傷なんてないほうがいいに決まってる。でも、その人にしか起こり得なかった傷こそが、その人を形づくっているということも事実である。(っていうかそうゆう風に考えないともう生きていけない、その崖っぷちにいる人たちのためにこの作品はある)『激雷』は、雷という予測不可能な出来事、そして踊りという人間の根源的な欲望をモチーフに、傷と痛みを抱えた人々が、共に生きる方法を模索する映像作品である。
──プレスリリースより