ペースが、岡﨑乾二郎の韓国での初個展となる「Form at Now and Later 形而の而今而後」をソウルのギャラリーで開催する。会期は6月28日〜8月17日。
岡﨑は1955年東京生まれ。絵画、彫刻、ロボット工学、コスチューム・セット・デザイン、建築など領域を横断して活躍している。彼は自身のアート、とくにペインティングを通して、時間、空間、存在の広大で反響する連続体を再現し、宇宙の奥深くからのつながりと謎を解き明かす。その作品は、しばしば美術史や哲学的な参照に彩られ、歴史、記憶、現在の瞬間における形の崩壊を考察している。
本展では、抽象という言語を通して、時間、空間、知覚への岡﨑の芸術的な探求に焦点を当て、新作および近作の絵画と彫刻が一堂に会する。1990年代の二枚組みの実験から生まれた「Zero Thumbnails」シリーズのほか、本展では岡﨑が2023年から24年にかけて制作した16点の大型ペインティングも展示。そのほか、ミクストメディアの壁面レリーフ《3時15分》(1983-93)や、歪んだ形が重なり合う新作の人造大理石彫刻も発表されるという。
*──同作のタイトルは「円を描き終え始点に戻れば曲線はそれ以上進まない、夕日を浴び鳥は翼を畳み人は言葉を失う。大地を照らした太陽が姿を消しても太陽の変わらずに在る。
ある皿には桜桃、別のには無花果、また別の皿に葡萄が描かれている。無花果の皿に光が当たると、何かが星のようにきらめいた。
世界は存在しなければならないのだ!木々はだれにでもわかる言葉でささやく。猜疑に悩まされて過ごす夜。問いが解かれる朝。五感が失われても彼のまわりの花瓶、赤いガラスの水差(朝の光に白い窓枠が、なめらかな曲線をなして映っている)、その延長上に配列された世界が存在する。」となる。