絵画やコラージュ、アニメーションなど幅広い作品を手がける田名網敬一。その個展「TANAAMI!! AKATSUKA!! / 45 rpm」展が、麻布台ヒルズ内の集英社マンガアートヘリテージ トーキョーギャラリーで開催される。会期は5月14日〜6月30日。
田名網は1936年東京生まれ。武蔵野美術大学卒業。在学中にデザイナーとしてキャリアをスタートさせ、75年には日本版月刊『PLAYBOY』の初代アートディレクターを務めるなど、雑誌や広告を主な舞台に日本のアンダーグラウンドなアートシーンを牽引してきた。60年代からはデザイナーとして培った方法論・技術を駆使し、現在に至るまで絵画、コラージュ、立体作品、アニメーション、実験映像、インスタレーションなどを制作。アートディレクター、グラフィックデザイナー、映像作家など、そのジャンルを横断した類まれな創作活動により、他の追随を許さない地位を築いてきた。今年8月からは、世界初の大規模個展「田名網敬一 記憶の冒険」が国立新美術館で開催されることでも期待が高まっている。
本展は、2021年12月で稼働を停止した日本の出版におけるグラビア印刷を使った、田名網敬一×赤塚不二夫のコラボレーション作品「TANAAMI!! AKATSUKA!! / Revolver」のアートプリントを展示・販売するもの。
大型機械によるグラビア印刷の過程で生じるミスプリントによるズレを活かし、様々なバリエーションのグラビアプリントレコードジャケットが制作された。レコードA面には、赤塚不二夫と深い親交のあった坂田明が「TANAAMI!! AKATSUKA!!」のために多重録音を行った即興曲「Meehr!!」と、グラビア印刷機の音をもとに下岡晃(Analogfish)が作曲した楽曲「Revolver」の2曲が収録。またB面には、2021年11月26日のTOPPAN川口工場でのグラビア印刷の音が収められる。
なお、センターレーベルをレンチキュラー印刷で制作し、グラビア印刷の「版」をイメージさせるメタリックなアウタージャケットで覆った田名網敬一のサイン入り特別バージョンも限定100枚(5万5000円)で販売される。