2024.5.7

ノナカヒルによる安永正臣の個展、ギャラリー85.4で開催

日本の現代美術をアメリカ西海岸で紹介するギャラリー「ノナカヒル(Nonaka-Hill)」が、東京で安永正臣の個展「MASAOMI YASUNAGA : EMPTY VESSEL」を開催する。会期は5月11日~6月16日。

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 東京・神宮前のGallery 85.4で、注目のセラミックアーティスト・安永正臣の新作彫刻の個展「MASAOMI YASUNAGA : EMPTY VESSEL」が開催される。 会期は5月11日~6月16日。本展は、日本の現代美術をアメリカ西海岸で紹介するギャラリー「ノナカヒル(Nonaka-Hill)」が主催するものだ。

 安永は1982年大阪生まれ。6歳で三重県に引っ越す。17歳のとき、大阪産業大学のオープンキャンパスで星野曉の作品と出会い、星野ゼミに所属し直接教えを受けることとなる。 卒業後は伊賀に移り住み造形作品を制作するかたわら、器作家としても活動。その際に行っていた薪窯での焼成が現在の焼成理論につながっているという。

 安永は祖母の死に際し、その死を忘れないという思いのもと、火葬したあとの遺灰で釉薬をつくり、白磁を焼いたという。器をつくるなかでも一貫して焼成を探求しており、2012年からは釉薬のみでの造形を開始。15年には⻑男の誕生をきっかけに、それまでにはなかった生命の容れ物としての「Empty Creature」シリーズをつくり始める。23年には、銀座メゾンエルメス フォーラムで、エマイユ(釉薬)をテーマに開催されたグループ展「エマイユと身体(からだ)」に参加。大きな注目を集めた。

「エマイユと身体(からだ)」展示風景より、 安永正臣《静かな対岸の記憶》(2017-2023)

 安永の作品は、釉薬、石、ガラス、モザイクタイルなど造られたアッサンブラージュともとれるもの。焼成を得て残る空虚=らんどうな器を「EMPTY VESSEL」としている。本展は、このようながらんどうな器を生命の器として提起する作家の哲学を提示するものとなる。