ワタリウム美術館で「パーフェクト・カモフラージュ展」が開催される。会期は2月4日〜5月6日。
本展は、同館コレクションよりアンディ・ウォーホルを中心に11人と、ゲストアーティストにさわひらき、野口里佳、杉戸洋を交えて紹介するもの。「日常にカモフラージュする」「自然にカモフラージュする」「記憶にカモフラージュする」「空間にカモフラージュする」の4章に分けられ、約80点の作品が展示される。
タイトルの「カモフラージュ」について、同館はリリースで次のような言葉を記している。
カモフラージュとは、自身の存在を隠し、周囲に溶け込むこと。
置かれた状況が、私たちを生み出し、そしてまたあらたな状況がつくられる。
歴史とはその繰り返し。
カモフラージュとは、生存本能である。
雑踏に、自然に、一日中、世界中で、たくさんのコト、モノ、ココロで溢れそうなとき、 自分の身を隠そうと、私たちは日常の中にカモフラージュしていく。
第1章「日常にカモフラージュする」では、ウォーホルと、ダダやシュルレアリスム、前衛芸術運動の中心人物として活躍し、写真を新たな芸術表現へと確立させたマン・レイに加え、日常空間に本来あるはずのないイメージを登場させ、幻想的な映像作品を制作するさわひらきの作品を紹介。
第2章「自然にカモフラージュする」では、「ドクメンタ9」(1992)で脚光を浴び、ナムジュン・パイク以降の重要なビデオ作家として圧倒的に支持されているゲイリー・ヒル、自然と人工の空間を対象に制作活動を開始し、90年代以降は自然とアートに関する議論に影響を与え続けたロイス・ワインバーガー、そして微視と巨視を行き来するような独自の視点を持つ野口里佳が登場する。
第3章「記憶にカモフラージュする」では、祭壇を思わせる「モニュメント」シリーズなどで知られるクリスチャン・ボルタンスキー、彫刻や芸術の概念を「教育」や「社会変革」にまで拡張した「社会彫刻」という概念に取り組んだヨーゼフ・ボイス、近年、建築と作品が相互に作用し合う場をつくり出し、新たな展示空間を生み出している杉戸洋の作品を見ることができる。
そして第4章「空間にカモフラージュする」では、ドナルド・ジャッド、ナムジュン・パイク、キース・ヘリングといった著名アーティストのほか、「バウハウス最後の巨匠」と呼ばれるマックス・ビル、言葉で伝えることの難しい現代の中国での様々な問題を作品で訴え続けているリン・テェエンミャオ(林天苗)の作品が展示される。