東京・根津にあるキュラトリアル・スペース「The 5th Floor」で、YOSHIROTTEN、ジョナサン・ザワダ、ラッセル・モーリスによる3人展「KIMYONA UTSUKUSISA」が開催される。会期は1月20日〜2月4日。
本展は、The 5th Floorと、美術館から地下シーンまで多種多様なアート・サービスを提供する「Nozza Service」の共同キュレーションによるもの。アートシーンで制作と発表を続けながら、ファッションや音楽、テクノロジーなど様々な領域のプロジェクトでも活躍している3名の新作と旧作を織り交ぜて展示を構成する。
昨年、国立競技場・大型駐車場や幕張新都心の市街地などでアート・プロジェクト「SUN」を発表したYOSHIROTTEN。「山梨国際芸術祭|八ヶ岳アート・エコロジー 2023」や故郷の鹿児島県などでも展示を行い、陸・海・空で展開された超大規模なものを含むインスタレーション群が大きな話題を呼んだ。本展では、2018年と23年の大型個展で発表された一部の作品を再展示し、空想科学の視点を通して身の回りの世界を再解釈させる。
ザワダは、2018年にシドニー・オペラ・ハウスに投影するためのプロジェクションマッピング作品を発表し、昨年9月からは金沢21世紀美術館が主催する「DXP(デジタル・トランスフォーメーション・プラネット)―次のインターフェースへ展」にも参加中だ。また、Dua LipaやFlume、The Avalanchesなど国際的な音楽家たちにもビジュアルを提供している。本展では、NFTという技術を介した記憶のあり方やその未来への伝承の可能性、あるいはAIやビックデータの影響による私たちの道徳観や美意識の変容などの視点から展開された作品が紹介される。
1990年代後期にロンドンで作家活動を開始し、現在は日本在住のモーリスは、主にヨーロッパと東京で作品を発表し、2020年にはベルギー・ブルッセルのMima Museumに作品が展示・収蔵された。昨年は「EASTEAST_TOKYO 2023」に参加し、また自身の運営するファッションブランド「GASIUS」が創設30周年を迎えた。本展では、自然の造形を基点にしつつ、人工物、とりわけ廃棄物が自然環境のなかで曝け出す姿やカタチに美を見出す作品を展示する。