10月7日より開幕となる「さいたま国際芸術祭2023」の全体テーマ「わたしたちWe」の一環として、女性の生活・人生をテーマにした市民プロジェクト「Women’s Lives 女たちは生きている―病い、老い、死、そして再生」が、さいたま市プラザノース ノースギャラリーで開催される。キュレーションは小勝禮子(美術史・美術批評)。会期は10月9日~22日。
同プロジェクトでは、誰もが人生で直面する病、老い、死、そして誕生、魂の再生といったライフコースを、女性の視点から来館者と共有することを試みる。内容は、テーマを「女性の生活」に絞っており、人間が生まれてから人生を営み、その生を終えるまでを、女性の視点や立場から表現する作家たちの作品からたどるものとなる。
とくに、妊娠や出産、育児という人生経験でキャリアの中断につながりがちな女性の人生を、アーティストらの作品を通じて前向きにとらえ直すことでジェンダーの視点から社会意識の変革を目指す。また、病気や死というネガティブな体験にもアートを通して向き合うことで、誰にも降りかかることを意識し、魂を慰め身体をケアを促す。これらの試みは、人々がマイノリティの視点から人生に向き合うことにつながるだろう。
参加作家は、一条美由紀、菅実花、岸かおる、地主麻衣子、須惠朋子、本間メイ、松下誠子、山岡さ希子。年齢層は30代から60代以上までと幅広く、表現手法も多岐にわたるアーティストたちだ。