フルクサスの日本人女性アーティストに注目。「アウト・オブ・バウンズ フルクサスと日本人女性芸術家たち」がニューヨークで開催へ

久保田成子、オノ・ヨーコ、斉藤陽子、塩見允枝子といった、フルクサスにおける日本人女性アーティストの重要な役割に焦点を当てる展覧会「アウト・オブ・バウンズ フルクサスと日本人女性芸術家たち」がニューヨークのジャパン・ソサエティー(JS)ギャラリーで開催される。会期は10月13日〜2024年1月21日。

Various Artists, Fluxkit, ca. 1969. Digital Image © The Museum of Modern Art/Licensed by SCALA / Art Resource, NY

 フルクサスにおける日本人女性アーティストの重要な役割に焦点を当てた初めての展覧会「アウト・オブ・バウンズ フルクサスと日本人女性芸術家たち」がニューヨークのジャパン・ソサエティー(JS)ギャラリーで開催される。会期は10月13日〜2024年1月21日。

 1960〜70年代に発生したムーヴメント「フルクサス」とは「流れる小川のように、連続的に移動すること、通り過ぎること」を意味するラテン語。絵画や彫刻といった従来の芸術形式を避け、映画、音楽、パフォーマンス、出版、大量生産されたオブジェの流用などを新たな表現手段とすることで、日常におけるはかないものや行為に芸術的価値を見出し、伝統的な美的概念に挑戦した。

 このムーヴメントの創設60周年を目前に開催される本展は、先駆的な日本人アーティストである久保田成子(1937〜2015)、オノ・ヨーコ(1933〜)、斉藤陽子(1929〜)、塩見允枝子(1938〜)の貢献に焦点を当てることで、フルクサスと1960年代以降のより広範な芸術運動における4人の役割について考察するものだ。

 会場には、久保田によるパフォーマンス《ヴァギナ・ペインティング》(1965)やヴィデオ彫刻《ヴィデオ・ポエム》(1975)、オノの初期のパフォーマンス作品《Cut Piece》《Bag Piece》(ともに1964)、斉藤による《グラインダー・チェス》(1965)や《サウンド・チェス》(1965 / 77)といった遊び心あるチェスシリーズ、塩見の9つのメールアート・イベント・シリーズ《スペイシャル・ポエム》(1975 / 2023)を含む100点以上の作品を、同ギャラリーの全スペースに展示。その幅広い活動内容と女性アーティストとしての重要な貢献を4人の作品を通じて通覧することができる。

 会期中には、ギャラリー内でのインタラクティブ体験や、ライブ・パフォーマンス、レクチャー、映画上映など、多様なパブリック・イベント・プログラムも実施されるほか、ジャパン・ソサエティーの舞台公演部において「John Cage’s Japan」と題したコンサート・シリーズも開催予定だ。この機会にフルクサスや同ムーヴメントにおける日本人女性の多大なる貢献を改めて振り返ってみるのはいかがだろうか。

Various Artists, Fluxkit, ca. 1969. Digital Image © The Museum of Modern Art/Licensed by SCALA / Art Resource, NY
Various Artists, Fluxkit, ca. 1969. Digital Image © The Museum of Modern Art/Licensed by SCALA / Art Resource, NY

編集部

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