4名の作家の対話と制作の記録。墨田区のギャラリー「float」で「ちょっとだけ分かる」が開催

東京・墨田区のアトリエ/オルタナティブスペース「float」で中塚文菜、名倉歩、保泉エリ、吉田茉莉子によるグループ展「ちょっとだけ分かる」が開催。作品のほか参加作家4名が話し合いをした際の音声や動画など、理解の過程も提示する。

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 東京・墨田区のアトリエ/オルタナティブスペース「float」で中塚文菜、名倉歩、保泉エリ、吉田茉莉子によるグループ展「ちょっとだけ分かる」が開催される。会期は10月7日〜29日。

 会場となるfloatは「クリエイティブな交流の場」を目指し、若手建築家とアーティストが元プレス工場の建屋をセルフリノベーションして2011年9より活動をスタートしたシェアアトリエ・オルタナティブスペース。現在はアーティストのための制作アトリエとしておもに運営されているが、不定期で展覧会やワークショップ・トークイベントを開催している。

 今回開催されるグループ展「ちょっとだけ分かる」は、自身とは考え方や方法論が異なる作家同士が一緒に展示をしたら、どのような相互作用が生まれるのか知りたいとの思いから企画された。出展者の 4 名は同時期に筑波大学大学院に在籍していたが、コロナ禍で修了展が中止になり、有志で展示を行ったことがきっかけで交流するようになったという。

 中塚文菜は1993年岡山県生まれ。自分の身の周りで起こる出来事に対する違和感と地道に向き合うことで美術や社会に対して問題提起を行い、平面や立体作品を制作してきた。名倉歩は1997年東京都生まれ。風景の記録・取材をもとに、醜さのなかの希望や、光のなかの絶望を探りつつ、それらが移り変わる現代の風景を描く。

中塚文菜の作品
名倉歩の作品

 保泉エリは1996年広島県生まれ。人体彫刻と生身の人間との関係に興味を持ち、作り手と鑑賞者、展示空間と日常などを見つめた彫刻表現を追求している。吉田茉莉子は1997年生まれ。自然素材を用いながら、古代から続く人間の営みや自然現象を、インスピレーションをもとにペインティングとして残している。

保泉エリの作品
吉田茉莉子の作品

 また、本展示では作家の制作した作品のほかに、作家が4名で話し合いをした際の音声や動画、互いの作品に対しコメントを書いたスプレットシートの印刷物(会期中に掲示)などを設置する予定だ。

 制作方法が異なるため、今回の展示を企画するまで互いの作品についてあまり理解や関心を示す機会がなかったという4作家。しかし、意見のすれ違いや内容がまとまらないことがありながらも、企画について話し合いを重ねるにつれて、分からなかった相手のことが「ちょっとだけ分かる」ようになったという。その過程も含めて観客に提示することを目指す展覧会となりそうだ。

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