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巨大ロボット、山口晃、ヒンドゥー美術に落合陽一まで。9月に注目したい展覧会ベスト25

2023年8月末から9月に開幕する展覧会のなかから、とくに注目したいものを編集部がピックアップしてお届けする。 *最新情報は各館公式サイトをご確認ください。

バイラブ仮面舞踊装束 国立民族学博物館蔵 撮影=増田大輔 撮影協力=株式会社エスパ

Chim↑Pom from Smappa!Groupの新プロジェクト。「ナラッキー」(歌舞伎町・王城ビル)

メインビジュアル

 1964年に竣工し、城を模した独特のデザインで愛されながら、当初は名曲喫茶、キャバレー、カラオケ店、居酒屋へと業態が変化し、2020年3月まで続いてきた新宿・歌舞伎町の王城ビル。今後、王城ビルが街に愛され、街と人をつなぐ交歓・交流の場として、歌舞伎町のアートのハブとしての役割を担うため、どのような機能を持った場が必要かを検討し提案するために、任意団体「歌舞伎町アートセンター構想委員会」が立ち上がった。

 同委員会からの提案により、王城ビル所有者である大星商事株式会社とChim↑Pom from Smappa!Groupのプロジェクト型展覧会「ナラッキー」を第一弾として開催。王城ビルの全館を使用する本展では、Chim↑Pomが新作インスタレーションを制作・常設展示するほか、レストランや各種イベント、ショップも手がけ、王城ビルを1ヶ月限定の「Chim↑Pom from Smappa!Group による美術館」のような施設へと変身させる。

会期:2023年9月2日〜10月1日
会場:王城ビル
住所:東京都新宿区歌舞伎町1−13−2
開館時間:15:00~21:00(最終入館は20:30まで) ※1階レストランは22:00まで営業
休館日:火
料金:一般 2000円 / 学生、障がい者手帳所持者 1500円 
オンラインサイト:www.hellonaraku.com

キャラクターと同居する「わたしたち」。市川慧作品展「Tokyo Planetes」(銀座 蔦屋書店

市川慧 Tokyo Planetes 2023 130.3×97cm キャンバスに油絵具、ミクストメディア

 銀座 蔦屋書店で、市川慧の作品展「Tokyo Planetes」が開催される。会期は9月2日〜9月15日。

 市川は現在東京藝術大学美術学部絵画科油絵専攻に在学中。2023年3月にアーツ千代田3331にて学生3名による自主企画展「ROOM206展」を開催している。西洋絵画の奥行きのある写実的な技法と日本の絵画表現における平面的な表現を共存させ、コラージュなど様々な技法を用いて制作を行ってきた。

 本展のタイトルでもある「Planetes」はギリシャ語で「さまよう人」や「惑う人」を意味し、英語の「Planet(惑星)」の語源でもある。つねに輝く恒星だけでなく、そのまわりをさまよう惑星にも目を向け、次元の違うものが共存する可能性の追求を試みる市川の作品世界が展覧される。

会期:2023年9月2日~9月15日
会場:銀座 蔦屋書店 スターバックス前
住所:東京都中央区銀座6-10-1 GINZA SIX 6階
電話番号:03-3575-7755 
開館時間:営業時間は店舗ウェブサイトを参照 
料金:無料

フォーカスするのは「顔」。ジャン=フィリップ・デローム「visage(s)」(ペロタン東京


ジャン=フィリップ・デローム Fransiska with My Bloody Valentine teeshirt 2023 キャンバスに油彩、ウッドフレーム Courtesy of the artist and Perrotin.

 六本木のペロタン東京で、同ギャラリー初となるジャン=フィリップ・デロームの個展「visage(s)」が開催される。会期は8月31日〜10月14日。

 ジャン=フィリップ・デロームは 1959年生まれ。風景画、静物画、肖像画といった古典的なアプローチを通して表現の歴史を継承するアーティストだ。その作風は、写真に頼ることなく直に被写体を観察し、一度に描き上げるもの。移り変わる光による儚い雰囲気の風景やスタジオを訪れたモデルの一時的な存在など、「いま、ここ」をとらえている。

 本展では、パリのアトリエで古典的なポーズをとったモデルたちを描いた一連の新作肖像画を発表。本展タイトル「visage(s)」はフランス語で「顔」を意味するもの。デロームの絵画が身体よりも顔に焦点を当てていることを強調しており、デロームは「顔は、傷つきやすさ、もろさ、変化が表れる風景が光によって変化するように、顔は日々変化し、ポーズをとっている間にも変化するものです」とのコメントを寄せている。

会期:2023年8月31日〜10月14日
会場:ペロタン東京
住所:東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル1階
電話番号:11:00〜19:00 
休館日:日月
料金:無料

ライカで撮影した写真を展示。落合陽一「晴れときどきライカ ── 逆逆たかり行動とダダイズム」(ライカギャラリー東京)

Leica Gallery Tokyo © Yoichi Ochiai

 メディアアーティスト・落合陽一の写真展「晴れときどきライカ」をライカギャラリー東京で開催する。会期は9月1日〜10月29日。

 落合陽一は1987年生まれ。現在筑波大学准教授、京都市立芸術大学客員教授。2010年ごろより作家活動を始め、境界領域における物化や変換、質量への憧憬をモチーフに作品を展開してきた。

 今回、落合はライカギャラリー東京では「晴れときどきライカ ── 逆逆たかり行動とダダイズム」と題した個展を開催。“晴れときどきライカ”という自身の日常を描き出すフレーズを軸に、作品が展開される。

会期: 2023年9月1日〜10月29日
会場:ライカギャラリー東京(ライカ銀座店2F)
住所:東京都中央区銀座6-4-1 2F
電話番号:03-6215-7070 
開館時間:11:00〜19:00
休館日:月
料金:無料

浮世絵における美人画と着物を感じる。「美人画 麗しきキモノ」(太田記念美術館

展覧会ビジュアル

 東京・原宿の太田記念美術館で、美人画と着物をテーマにした展覧会「美人画 麗しきキモノ」が開催される。会期は9月1日~10月22日。

 最新の流行を身にまとった女性を描く「美人画」は浮世絵において重要なジャンルだった。着物は当時の美意識を伝えるだけでなく、作品の印象も決定づける大きな要素でもある。

 本展では江戸前期から昭和初期にかけての作品を、前後期あわせて約130点紹介。美人画の歴史が通観できることはもちろん、時代とともに変化する流行や着こなし、そして吉祥文様や古来愛された意匠についても知ることができる。それぞれに歴史や物語を持つ模様をまとう女性たちの姿からは、日本文化の豊かさにも触れられる展覧会となるだろう。

会期:2023年9月1日~10月22日
会場:太田記念美術館
住所:東京都渋谷区神宮前1-10-10
電話番号:03-3403-0880
開館時間:10:30~17:30
休館日:9月4、11、19、25〜29日、10月2、10、16日
入場料:一般 800円 / 大学・高校生 600円 / 中学生以下 無料

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