「外が静かになるまで」。写真家/舞台作家の三野新が十和田市現美「space」に登場

十和田市現代美術館から徒歩7分のサテライト会場「space」で、演劇と写真を横断するアーティスト三野新の個展「外が静かになるまで」が開催される。会期は9月16日〜12月17日。

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 十和田市現代美術館 サテライト会場「space」で、アーティスト三野新の個展が開催される。会期は9月16日から12月17日まで。

『クバへ/クバから』上演化プロジェクト(演出:楊いくみ、出演:石川朝日、赤松あゆ、MARU OHREI) 2022 ※参考画像

 アーティスト 目[mé]が十和田市街の一軒家をホワイトキューブの空間へと改築した作品《space》は、十和田市現代美術館から徒歩約7分の場所に位置しており、2022年7月より同館の「サテライト会場」として運用されている。美術家の大岩雄典による柿落とし以降、青柳菜摘、ドキュメンタリーアクターである筒 | tsu-tsu の個展を開催し、若手アーティストによる実験的な表現を紹介してきた。

 新たに個展の開催が決まった三野新は、1987年福岡県生まれ。2017年東京藝術大学美術研究科先端芸術表現専攻博士後期課程修了。写真家/舞台作家として、土地や風景の歴史と人々の記憶を読み解いて戯曲を立ち上げ、身体的なパフォーマンスや写真・映像と組み合わせて表現してきた。近年の主な展覧会・公演に「クバへ/クバから」(ANB Tokyo、2021)、『うまく 落ちる練習』(京都芸術センター、2019)など。

三野新 撮影=細倉真弓

 以前から日本に駐留する米軍の存在へと関心を寄せ、沖縄を題材とした作品も発表してきた三野は今回、同じく米軍基地を擁する青森県三沢市へのリサーチを実施。展覧会に向けて、リサーチから新たに戯曲をつくり上げ、インスタレーションとして発表する予定だという。

 周縁化された場所やものに残る記憶や風景をつなぎ、「ここ」と「あそこ」の中間項を見つけ前景化させる研究・実践を行ってきた三野新。本展ではこうしたテーマ性がどのような題材を通して表出するのか、期待が高まる。

ON/OFFのあいだにある渚のようなもの 2022 撮影=TOKYO PHOTOGRAPHIC RESEARCH ※参考画像

編集部

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