KAMU kanawaza、ステファニー・クエールの新作個展「CROW:烏」を3年にわたり開催へ

金沢市の私設美術館「KAMU kanazawa」が、動物の彫刻作品で知られるステファニー・クエールの新作個展「CROW:烏」を開催する。会期は2023年8月2日~2026年8月2日。

©Stephanie Quayle Courtesy of Gallery38

 setchu株式会社(代表:林田堅太郎)が運営する私設現代美術館「KAMU kanazawa」が、ステファニー・クエールの新展示「CROW:烏」を開催する。会期は2023年8月2日〜2026年8月2日。

 ステファニー・クエールは1982年生まれ。2005年にロンドンのスレード・スクール・オブ・アートにて首席で美術学士号を取得し、07年にロイヤル・カレッジ・オブ・アート彫刻学科修士課程を修了した。近年、日本では「Human and Animal」)岐阜県現代陶芸美術館/滋賀県立陶芸の森/岩手県立美術館、2021-22)や「野生展:飼いならされない感覚と思考」(21_21 DESIGN SIGHT、2017)などの展示に参加しており、今年に入ってからはgallery 38で新作個展「Animal Instinct」を開催したことは記憶に新しい。

 「KAMU kanazawa」にはその作品が常設されており、本展は同館3年ぶりの展示入替となる。

Crow sketch © Stephanie Quayle Courtesy of Gallery38

 展示は24羽の烏彫刻によるインスタレーション。本プロジェクトは、同館館長が、金沢は街中に烏が多く、そして何より金沢の烏はよく歩くと気づき動画を撮り溜めていたことがそのきっかけだという。さらに金沢の街中で信号待ちをし、横断歩道を渡る烏などの動画を作家と共有し、人間社会と共存し利用しながら生きる烏を通じて私たち人間を見たとき、新たな発見や思いが生まれるのではないかと考え、プロジェクトがスタートしたとしている。

 烏という身近な存在を躍動感とともに表現したステファニー・クエールの作品群。これらは人間社会に野生動物がいるわけではなく、世界の中に人間と動物がともに存在していることに気づかせてくれるだろう。また烏は7歳程度の知能を持っており、鏡に映る自身を自覚していると言われるように、鑑賞者が作品に自身を投影し“何者”かを考え再認識するような展示構成も見所のひとつだという。

編集部

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