南條史生が代表取締役を務めるエヌ・アンド・エー株式会社が企画運営を行う中目黒のN&A Art SITE。同スペースで、南條による企画展シリーズ「NANJO SELECTION」の第2弾として岡田菜美の個展「いつか見た青い影/ A Whiter Shade of Pale」が開催される。会期は7月3日〜29日。
「NANJO SELECTION」は、南條がキュレーションする、今後の活躍が期待できる若手作家を紹介する企画展シリーズ。第1弾として、川内理香子の個展「line & colors」が今年3月25日から4月27日まで開催された。 同シリーズは、南條の「決して万全とは言えない日本のアート環境のなかで、新しく登場した作家たちの意義ある業績を美術史の文脈のなかに位置づけながら国際的に紹介していくことは、日本の美術業界の喫緊の課題」という思いから誕生したものだ。
第2弾の個展となる岡田菜美は1991年群馬県生まれ。16年に多摩美術大学大学院絵画専攻油画研究領域を修了し、現在は東京を拠点に活動している。アクリル絵具を何層にも重ね、削りだす行為を繰り返すという方法により、独特の絵画を制作する岡田。その作品には、岡田⾃⾝が訪れた場所をモチーフとした風景が描かれるが、それらはどこにも存在しない風景のように感じられるいっぽうで、郷愁や既視感をも感じさせる。
本展では、幾重にも重なる「まだ意味を持たない風景」と「意味を帯びた風景」の関係性を表現した「one view」シリーズの新作を発表する。