平面美術の領域で、国際的にも通用する若い作家の支援を目的に、1994年より毎年開催されている「VOCA展」。過去の出展者には福田美蘭や小林正人、奈良美智、村上隆らがいる。
今年で29回目の開催となる「VOCA展2022」でグランプリとなる「VOCA賞」を受賞したのは、東京都出身の川内理香子。受賞作となった《Raining Forest》は、川内が2018年から制作している「Mythology(神話)」シリーズのひとつで、 キャンバスに厚く油絵具を塗り重ね、それを掘り出すように描かれた。「VOCA賞」としては、5年ぶりの油彩による平面作品の受賞となる。
「VOCA奨励賞」には鎌田友介と近藤亜樹が、「佳作賞」には谷澤紗和子と堀江栞が選出された。また小森紀綱が、大原美術館が同館独自の選考を経て決定する「大原美術館賞」を受賞している。
今回の選考委員を務めたのは家村珠代(選委員長/多摩美術大学教授)、荒木夏実(東京藝術大学准教授)、植松由佳(国立国際美術館学芸課長)、川浪千鶴(インディペンデント・キュレーター)、前山裕司(新潟市美術館館長)の5名となった。
なお、これらの作品を一堂に展示する「VOCA展2022」は、2022年3月11日〜30日までの20日間、上野の森美術館で開催される。