1906年に創立し、100年以上の歴史を持つパリのハイジュエリーメゾン「ヴァン クリーフ&アーペル」。同メゾンが支援し、2012年にヴァンドーム広場に創設された宝飾芸術に特化した学校「レコール ジュエリーと宝飾芸術の学校」が、東京で2つのプロジェクトを行う。
同校はパリと香港に常設校を持っているほか、これまでニューヨークや東京、ドバイなどで「旅する学校」としてノマディックスクール(移動講座)を開講。世界50以上の国から5万人もの人々に学びの機会を提供してきた。
2013年にはフランス国外で初めて、東京でこの移動講座が開講。19年には2度目が開催されており、着実にその存在感を高めてきた。そして23年、東京では3回目となる移動講座が京都芸術大学 外苑キャンパスで開催される(2023年2月24〜3月10日)。
会場設計は19年と同様、日本とフランスに拠点を置く建築家・藤本壮介が担当。サステナビリティを意識したという会場はヒノキの角材をメインに使用したデザインとなり、使われた素材は会期後にリユースされるという。この会場で体験できるコースは、「ジュエリーの歴史」「原石の世界」「サヴォアフェール(職人の技)」という3つの柱に則した18コース。パリ本校で活躍する専門家たちの指導が受けられる好機だ。
またレコールはこの移動講座に先立ち、東京大学総合研究博物館とともに、展覧会「極楽鳥」展を、丸の内のJPタワー学術文化総合ミュージアム「インターメディアテク」で共催する。会期は2023年1月20日〜5月7日。
本展のテーマはその名の通り「鳥」だ。これは、2019年にパリのレコール本校で開催された「Birds in Paradise」展を日本版としてゼロから再構成したもの。アートとサイエンスの館であるインターメディアテクにおいて、科学と芸術、ふたつの視点で「鳥」を取り上げる。
会場では、豊富な鳥の標本コレクションから選りすぐられた初公開を含むの標本の数々、学術資料、芸術作品を展示。鳥をモチーフにした100点におよぶ様々なメゾン、アーティストによるジュエリーとともに、それらに対応する鳥の標本をあわせて展示することで、ジュエリーと自然史、装飾芸術の分野を横断する「対話」の醸成を狙うという。