2022.6.10

16年ぶりのリヒター展から大英博物館の北斎まで。今週末に見たい展覧会ベスト5

今週開幕した/閉幕する展覧会のなかから、とくに注目したい5つをピックアップしてお届け。最新情報は各館公式サイトを参照してほしい。

展示風景より、《4900の色彩》(2007) © Gerhard Richter 2022 (07062022)
前へ
次へ

16年ぶりの開催。「ゲルハルト・リヒター展」(東京国立近代美術館)

展示風景より、《ビルケナウ》(2014) © Gerhard Richter 2022 (07062022)

 文字通り現代美術界の「巨匠」であるゲルハルト・リヒター(1932〜)。その日本では16年ぶり、東京の美術館では初となる美術館個展「ゲルハルト・リヒター展」が開幕している。 

 本展の特徴はその会場構成だ。構成はリヒター自身が手がけたもので、具象から抽象まで、各時代、各シリーズの作品が場内で入り乱れるような構造となっている。来場者は自らの目で作品を結びつけながら空間を移動し、リヒターが問い続けてきた「見る」という行為を追走することになるだろう。

 初来日した4点からなる巨大な絵画作品《ビルケナウ》(2014)をはじめ、リヒターの一貫しつつも多岐にわたる、60年におよぶ画業を紐解くにふさわしい展覧会となっている。なお、リヒター個展は六本木のWako Works of Artでも開催。これを機に、リヒター作品を巡ってみてはいかがだろうか。 

会期:2022年6月7日~10月2日
会場:東京国立近代美術館
住所:東京都千代田区北の丸公園3-1
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00〜17:00(金土〜20:00) ※入館は閉館の30分前まで
休館日:月(ただし7月18日、9月19日は開館)、7月19日、9月20日
料金:一般 2200円 /  大学生 1200円 / 高校生 700円 / 中学生以下無料 ※東京国立近代美術館(当日券)、オンライン(日時指定券)にて販売

機能と装飾のポリフォニー 交歓するモダン(豊田市美術館)

マルセル・ブロイヤー クラブチェアB3 1925 豊田市美術館蔵

 豊田市美術館で展覧会「機能と装飾のポリフォニー 交歓するモダン」が開幕した。本展は、包括して紹介されてこなかったモダンデザインと装飾芸術、ファッションを一堂に集め、その関わりに焦点を当てるもの。

 1914年に第一次世界大戦が勃発したのち、急速に変化する社会のなかで、作家たちがときに交わり、ポリフォニーのように共鳴しながら探求したいくつもの「モダン」。そのかたちにフォーカスした展覧会だ。フェリーチェ・リックス(上野リチ)らウィーン工房や、バウハウスで活躍した女性作家たちの作品、バウハウスやデ・ステイルだけでなく、バウハウスと同時期にドイツで応用芸術教育を実践したブルク・ギービッヒェンシュタイン美術工芸学校などの動向も取り上げられている。

会期:2022年6月7日~9月4日
会場:豊田市美術館
住所:愛知県豊田市小坂本町8-5-1
電話番号:0565-34-6610
開館時間:10:00〜17:30 ※入館は17:00まで
休館日:月(ただし7月18日、8月15日は開館)
料金:一般 1400円 / 大学・高校生 900円 / 中学生以下無料

初エッセイ集刊行記念。中島晴矢「オイル・オン・タウンスケープ」(NADiff a/p/a/r/t)

 現代美術、文筆、ラップなど、インディペンデントとして多様な場やヒトと関わりながら領域横断的な活動を展開し、現代社会や都市が抱える問題を風刺的に表現してきたアーティスト・中島晴矢。その初エッセイ集『オイル・オン・タウンスケープ』の刊行を記念した展覧会「オイル・オン・タウンスケープ」がNADiff a/p/a/r/tで始まった。

 『オイル・オン・タウンスケープ』は、東京オリンピックの開催や、新型コロナウイルスのパンデミックによって、東京の街が急激な変化を伴った時期に執筆されたもの。作中ではかつて自身が潜在した町屋、渋谷、麻布といった東京の街の変わりゆく風景を、いくつもの時間軸を交差しながら記述。独学で画家を志し戦前の東京を描いた洋画家・長谷川利行の軌跡とも重ねあわせつつ、作者の街歩きが進行していく内容となっている。展覧会では、同書のために描き下ろした油絵作品が並ぶ。

会期:2022年6月9日~6月26日
会場:NADiff a/p/a/r/t
住所:東京都渋谷区恵比寿1-18-4
電話番号:03-3446-4977
開館時間:13:00~19:00
休館日:月火水
料金:無料

建築と貴重書を楽しむ。「建物公開2022 アール・デコの貴重書」(東京都庭園美術館)

展示風景より、本館の大客室

 東京都庭園美術館が年に一度、旧朝香宮邸の建築の魅力を紹介する建物公開展。「建物公開2022 アール・デコの貴重書」が今週末で閉幕する。

 今年のテーマは、1920年代から30年代のアール・デコ期の貴重書。東京都庭園美術館は、1920年代の滞欧中、当時全盛期だったアール・デコの様式美に魅せられ、帰国した朝香宮夫妻がフランス直輸入のアール・デコ様式を取り入れ、完成させた邸宅を活用したものだ。本展では、同館所蔵のアール・デコ期の貴重書を中心に、本館と新館それぞれに展示。また、室内装飾家のアンリ・ラパンが内装設計をした本館の主要な部屋では、邸宅として使用されていた往時の様子が、家具や小物を使って華やかに再現されているのも見どころのひとつとなっている。

会期:2022年4月23日〜6月12日
会場:東京都庭園美術館
住所:東京都港区白金台5-21-9
電話番号:050-5541-8600
開館時間:10:00〜18:00(入場は閉館の30分前まで)
休館日:月
料金:一般 1000円 / 大学生 800円 / 中学・高校生 500円

「大英博物館 北斎―国内の肉筆画の名品とともに―」(サントリー美術館)

展示風景より 撮影=坂本裕子

 世界でもトップクラスと言われる葛飾北斎のコレクションを持つ大英博物館。同館所蔵の北斎作品を中心に展示し、その画業の変遷を追う展覧会「大英博物館 北斎―国内の肉筆画の名品とともに―」が、今週末で閉幕する。

 本展は、大英博物館が所蔵する北斎作品を中心に、国内の肉筆画の名品を展示。北斎の画業の変遷を追うもの約70年におよぶ北斎の作画活動のなかでも、とくに還暦を迎えた60歳から、90歳で没するまでの30年間に焦点を当て、数多くの代表作が生み出されていく様子が紹介されている。大英博物館の所蔵する揃物の優品や、現存数の少ない貴重な初期作がそろう機会だ。

会期:2022年4月16日~6月12日
会場:サントリー美術館
住所:東京都港区赤坂9-7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階
電話番号:03-3479-8600
開館時間:10:00〜18:00(金土および4月28日、5月2~4日は〜20:00)
休館日:火
料金:一般 1700円 / 大学・高校生 1200円 / 中学生以下無料