今年4月23日より開催される「第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展」。その日本館で展示を予定しているダムタイプの作品タイトルとコンセプトが発表された。
タイトルは《2022》。展示室の中心から北・東・南・⻄の方角に置かれた4台の高速で回転する鏡にレーザーを反射させて、周囲の壁に文字を投影する新作。投影される文字は、1850年代の地理の教科書から引用されたテキストで、回転する超指向性スピーカーからテキストを朗読する音声が流れ、音のビームとなって室内を移動し不意に鑑賞者の耳元に届くという構成だ。
ダムタイプはステートメントで、テキストは「シンプルで普遍的な問いを投げかける」ものだとし、「インターネット/ソーシャル・メディアの進化・発展や、世界的に感染が拡大した新型ウイルスにより大きく変化した、人々のコミュニケーションの方法や世界を知覚する方法について、 あるいは『Post Truth』『Liminal Spaces』について」探求する作品だと説明。「周囲を取り囲む言説群と対比的に、部屋の中央の空所は、どこでもない場所であり、どこでもある場所である」。
プロジェクトメンバーには、高谷史郎、坂本龍一、古舘健、濱哲史、白木良、原摩利彦、泊博雅、南琢也、空里香、高谷桜子などが名を連ねている。なお2023年2月25日〜5月14日には、日本館展示の帰国展がアーティゾン美術館で予定されている。