2021年に予定されていたが、新型コロナウイルスの影響で22年4月に延期された第59回ヴェネチア・ビエンナーレ国際美術展。そのテーマが「The Milk of Dreams」に決定した。
このテーマは、イギリス人の画家、彫刻家、小説家であるレオノーラ・キャリントンの著書から引用されたもの。同ビエンナーレのキュレーターを務めるチェチリア・アレマーニはステートメントのなかで、「このシュルレアリスムの芸術家は、想像力のプリズムを通して人生がつねに再認識され、誰もが変化し、変身し、何かや誰かになることができる魔法の世界を描いている。今回のビエンナーレでは、身体の変容と人間性の定義を通して、私たちを想像の旅へと誘う」とコメントしている。
展示は、「身体の表現とその変容」「個人とテクノロジーの関係」「身体と地球のつながり」という3つのテーマに焦点を当てる。人間の定義や、人間と非人間の生命の違い、地球や他の人々、ともに生きる生物に対する責任など、一連の質問を提起する。
ヴェネチア・ビエンナーレ財団のロベルト・チクット会長は、「今日、次の国際美術展の出発点は、個人と私たちの住む宇宙とのあいだの、より持続可能な新しい関係の再発明であると思う」というコメントを発表している。
今回の国際美術展の日本館はダムタイプが代表作家として参加予定。なおドイツ・カッセルで5年に一度開催される国際展「ドクメンタ」と同年開催となる。